2003年06月12日
「スリランカ復興開発に関する東京会議」開催される:UNDP、スリランカ復興に支援表明
6月9、10日の2日間にわたって東京で開催された「スリランカ復興開発に関する東京会議」において、UNDPはハフィス・パシャ アジア太平洋地域局長より、スリランカに対して今後5年間にわたり2,500万ドルの支援を提供することを発表しました。日本政府、欧州連合、ノルウェー、米国が共催し、51ヵ国、22国際機関の参加を得て開催された同会議では、今後4年間に国際社会より45億ドルの支援が表明されました。
ハフィス・パシャ局長は会議の席上、「スリランカにおける紛争から平和への移行プロセスは、多くの障害を乗り越えて続けられている。和平協議が速やかに再開され、平和構築から持続可能な開発への道筋が開かれることを心から希望する。我々は他のパートナーと連携し、この極めて重要な道筋へ踏み出そうとしているスリランカの人々に、全面的な支援を提供してゆきたい」と述べました。
会議で採択された「スリランカ復興開発に関する東京宣言」は、タミル・イーラム解放の虎(LTTE)の会議欠席に遺憾の意を表明する一方、スリランカ政府に対して「和平プロセスの継続に向けた同国の決意を再確認し、スリランカの復興と開発に焦点を当てる」機会を提供する、としています。東京宣言は、統一されたスリランカ内における連邦構造に基づく、継続的な交渉による和平を実現する決意を両当事者が有していることを称賛し、スリランカのすべての人々に目に見える平和の配当をもたらすことの重要性を強調しています。
同会議ではまた、国際機関により準備された、紛争による影響を受けた地域に対するニーズ・アセスメントが発表されました。ハフィス・パシャ局長は、「リゲイニング・スリランカ」と題されたニーズ・アセスメントに基づく政府戦略を提起した報告書の、平和と開発実現における重要性を指摘し、「これらのニーズに応えるための国際社会の政治的・社会的支援が必要不可欠である」と述べています。
ハフィス・パシャ局長はまた、UNDPが過去の紛争期間中を通じて現地での活動を継続してきたことについても言及しました。UNDPの移行プログラムは、人道援助と持続的な開発の橋渡しを支援するもので、持続的な生計手段の創出、経済復興および紛争後の開発計画策定を目指し、計画段階から現地パートナーの参加を得て、彼等に経済復興を促進するための手段および訓練の機会を提供しています。さらにUNDPは地雷による脅威を軽減するために、地雷除去活動のあらゆる側面の協働体制の強化を支援しています。
さらにパシャ局長は民間部門への投資促進の必要性についても述べています。UNDPは会議期間中、日本スリランカ投資セミナーの開催にも協力しています。UNDPは昨年、ニューヨークにおいて「平和への投資」イニシアティブを発表しましたが、これは、スリランカにおけるビジネスチャンスに焦点を当て、紛争による影響を受けた地域が利益を享受できるような民間投資の実現を支援するものです。
以上
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