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ニュースルーム −プレスリリース−

2003年09月25日

東京
アフリカの将来に関する首脳会談 20ヵ国を超えるアフリカの国家元首が一堂に会す

 9月29日から10月1日まで、アフリカ開発の将来に関する重要な会議が東京で開催され、20を超える国々から国家元首が来日する。

 第3回アフリカ開発会議(TICAD III)は今年で10周年を迎える。この会議は、日本政府が、国際連合、アフリカのためのグローバル連合との共催により、アフリカ開発に向けた国際的パートナーシップ、とりわけアジア・アフリカ協力を推進するために開催する。今回の会議では、過去10年間の成果を振り返るとともに、新たな優先課題を宣言する予定。

 TICADには、各国首脳に加え、アフリカ・アジアの官民セクター、ドナー諸国、非政府組織、学界、市民社会から幅広い参加者が集う。本件会議では、アフリカ諸国が自ら策定し、近年設立されたアフリカ連合によって採択された開発イニシアティブ、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)が焦点となる。

 会議ではTICAD10周年宣言を採択し、NEPADに盛り込まれたアフリカのオーナーシップに基づく開発プロセスに支持が表明され、アフリカのオーナーシップと国際的パートナーシップの共存に向けた協力が謳われる予定である。この合意に先立ち、TICAD共催者は「TICAD10周年宣言が、21世紀のアフリカ開発を前進させる重要な1歩になると信じている」と語った。

 日本政府とともにこの会議を共催するのは、アフリカのためのグローバル連合(GCA)、国連アフリカ特別調整室(UN/OSAA)、国連開発計画(UNDP)および世界銀行である。マーク・マロックブラウン UNDP総裁は、「TICADは、アフリカのための行動計画をアフリカ主導で策定する素晴らしい機会だ。この重要な会議を通じて、我々はNEPADに対し強力な支持の提供と必要資源の動員を行い、アフリカ開発の新たな扉を開くことができる」と述べている。

 過去のTICAD――1993年の第1回会議および1998年の第2回会議――から、アフリカへの国際援助の現存のプロセス、および開発優先課題に関する合意形成の枠組みが誕生した。TICADプロセスから生まれたイニシアティブは、農業やハイテク産業など広範囲にわたる。アジア・アフリカ協力の画期的事例としては、アジア種、アフリカ種の特徴をあわせ持つ高収量のハイブリッド米(通称ネリカ米[NERICA])の開発を挙げることができる。現在、ネリカ米のパイロット国となった西アフリカ7ヵ国では、年間8,800万ドルの輸入削減効果が期待されている。

 また、TICADイニシアティブにより、アジアで培われた技術が活かされ、アフリカ諸国の情報通信技術の普及が進んだ。GCAのヘイジ・ガインゴブ事務局長は、「知識社会に参入するため、アフリカは情報技術やノウハウへのアクセスを増大しなければならない。 TICADの助力により、我々はIT普及率向上に向けた取組みを、どこでどう強化すべきか認識することができる」とコメントしている。

 TICADに向け、今年は3月にエチオピアのアジスアベバで開かれた高級事務レベル会合をはじめ、アフリカ全域を対象とした準備会合が数回実施された。3回の地域会合――南部アフリカ地域会合(南アフリカ・プレトリア、5月)、北部・東部アフリカ地域会合(ケニア・ナイロビ、6月前半)、西部・中部アフリカ地域会合(カメルーン・ヤウンデ、6月後半)――を通じて、準備プロセスにおける重要な情報が得られた。

 TICAD IIIの準備にあたり、小泉純一郎首相は国会で、「持続可能な開発、貧困、感染症といった重要な課題の解決に向け、日本は大きな役割を演じるだろう」と述べ、さらに「アフリカの問題が解決されなければ、21世紀の世界に安定と繁栄はない」と警告した。

 地域会合では、東京での本会議での議題が設定され、アフリカ全土での平和の定着、ガバナンスの向上、農業開発――これは、アフリカの経済成長に欠かせない原動力として強調された――といった優先課題について合意が形成された。

 本会議に向け、地域会合ではその他、民間セクターの積極的参加、国家的・地域的インフラの整備、人的資源開発、HIV/AIDSおよびその他の感染症に対する積極的対策、水資源の供給などの優先課題が確認された。

以上


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