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ニュースルーム −プレスリリース−

2004年01月22日

日本政府、UNDPを通じてパレスチナ人に緊急無償資金協力600万ドル供与

 日本政府は1月22日、占領下のパレスチナ領における深刻な人道的危機の緩和を目指す継続的な取り組みの一環として、「UNDPパレスチナ人支援プログラム(UNDP/PAPP)」に対し約600万ドルの緊急無償資金協力を行うことを発表しました。

 2003年12月18日、パレスチナ人に対する緊急人道支援を目的とした3億ドルの国連機関共同アピールが発表されました(アピールの詳細はhttp://www.un.org/depts/ocha/cap/opt.htmlを参照)。この包括的な緊急対応プログラムのうち、UNDPの担当分は4,600万ドルを占めていました。今回新たに日本政府よりUNDP/PAPPに対して拠出された600万ドルは、この共同アピールにも含まれる下記3つの重要活動分野をカバーするものです。

1)西岸の教育および職業訓練施設の増強を通じた、速やかな雇用創出。
2)西岸の農村地域における公共施設およびコミュニティーセンターの建設。
3)ガザ地区の貧困家庭のためのシェルター建設を通じた人道的支援。

 外務省は発表のなかで、「わが国政府としては、こうした支援によって困窮状態にあるパレスチナ人の人道状況を改善することが、中東和平を前進させる上で不可欠との認識の下、引き続き積極的に対パレスチナ支援を行っていくものである」と述べています。一方、ティモシー・ロサメルUNDPエルサレム特別代表は、「情勢の如何を問わず、日本の政府および国民は常に、先頭に立ってパレスチナ人の発展への支援を呼びかけてきた。日本は今後も真のパートナーであり続けることだろう」と述べています。

 2000年9月のインティファーダ勃発以来、パレスチナ人は経済的、社会的、人道的に危機的な状況に置かれています。教育、医療、インフラ等の基本的公共サービスの荒廃に加え、失業および貧困問題は深刻さを増す一方です。インティファーダ開始以降、失業率は50%以上も上昇しました。2000年第3四半期にはガザ地区で4.3倍、西岸で5.9倍であった求人倍率は今や、それぞれ6.9倍と9.4倍にまで悪化しています。統計からはさらに、目を覆わんばかりの惨状が浮かび上がってきます。貧困ライン以下で生活するパレスチナ人家庭の割合は66.5%(西岸では57.8%、ガザ地区では84.6%)。今回の危機を通じて、恒常的収入がそれまでの半分以下に落ち込んだ人々の割合は、パレスチナ人全体では56.5%(西岸では58%、ガザ地区では53.6%)に達します。また、パレスチナ人の子供の5人に1人には栄養失調による中〜重度の貧血症状が見られます。ガザ地区におけるこの割合は、ジンバブエ(13%)、コンゴ(13.9%)にも匹敵する13.2%に達しています。

 日本政府は、その最初期段階からPAPPに支援を行ってきたドナー国の一つです。テル・アビブの日本大使館のパレスチナ担当者は、「この緊急無償資金援助が、パレスチナ人が直面する深刻な人道的危機の緩和に少しでも役立てられるとともに、われわれの真摯な姿勢が彼らに伝わり、彼らの孤立感が和らげられることを願う」と述べています。

以上


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