2004年03月03日
イラク復興信託基金ドナー準備会合:UNDG信託基金に議長国日本が3億6,000万ドル拠出
2月28、29日の両日、アラブ首長国連邦のアブダビで第一回目のイラク復興信託基金ドナー準備会合が開催され、UNDP率いる国連開発グループ(UNDG)が管理する信託基金に対し、日本政府よりドナー国中でも最大の3億6,000万ドルが拠出されました。
これを受けてUNDG議長を務めるUNDPのマーク・マロックブラウン総裁は、日本の川口順子外務大臣宛てメッセージのなかで、「日本が示したこのような素晴らしい貢献は、イラク復興への支援拡大をドナー各国に要請する私の取り組みにとって大きな力となる」と評価しました。
2003年10月にマドリッド復興支援国会議においてイラク復興信託基金体制(IRFFI: International Reconstruction Fund Facility for Iraq)が設立されて以来、初の開催となった今回のドナー準備会合では、19ヵ国の参加のもと、総額10億ドルが拠出されました。これはマドリッド支援国会合でドナー国により表明された33億ドルの一部となるものです。なかでも、代表的なドナー国であり、初年度の支援国委員会議長国に選出された日本からは、総額4億5,000万ドルもの資金が拠出されました。これには、上述のUNDG管理の信託基金への拠出のほか、世界銀行が管理する信託基金へ拠出される9,000万ドル、今年度の予算承認を待ってさらに同信託基金へ拠出される4,000万ドル等が含まれています。この他、支援国委員会を構成するオーストラリア、カナダ、欧州委員会(EC)、インド、大韓民国、クウェート、ノルウェー、カタール、スペイン、スウェーデン、英国、米国から、それぞれ 1,000万ドルを超える資金が拠出されました。今後、IRFFIはイラク側指導者およびドナー各国との緊密な協力のもと、国際社会によるイラク復興支援への拠出金を調整および配分する役割を果たします。
同準備会合においてロス・マウンテン国連事務総長特別代表代行は、国連はこれまでもイラクで人道的支援活動を実施しており、マドリッド支援国会議でドナー国が表明した拠出額の90%に相当する22億ドルが、国連を通じてイラクに提供されることに言及しました。さらに今後の課題として十分な雇用が「最も必要とされている」とした上で、「雇用問題への取り組みを怠れば社会不安と混乱が広がりかねないというイラク国民の憂慮を国連もまた共有している」と述べています。
以上
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