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ニュースルーム −プレスリリース−

2005年01月18日

神戸
国連世界防災会議開幕:UNDPが長期的経済開発における災害リスクに配慮した貧困削減計画の重要性を指摘

 1月18日から22日まで神戸で開催されている「国連防災世界会議」において、ハイレベル・ラウンドテーブルに出席したゼフリン・ディアブレ国連開発計画(UNDP)副総裁は、自然災害が開発途上国の経済社会成長および開発に甚大な損失を生じさせるものであり、これがミレニアム開発目標(MDGs)達成の大きな脅威となりうることを指摘しました。同副総裁はまた、「開発政策およびプログラムのなかには、ある部分に対しては効果をあげているようでも、実際には新たな災害リスクを引き起こしているものもある」とも述べました。

 ラウンドテーブルにおいてディアブレ副総裁はまた、災害と開発活動の複雑な関係を認識する必要性を強調しました。同副総裁は、最近UNDP より出版された「災害リスクの軽減に向けて:開発に課せられた課題」に言及し、UNDPの活動実績から以下の見解を導き出しています。1)長年にわたる開発の努力は災害によって水泡に帰す。2)災害は開発によって発生したストレスや衝撃をさらに悪化させる。3)災害は、貧しく社会から疎外された人々にこそ、最も大きな影響を及ぼす。4)人々は開発のみによって災害から守られるのではない。個人、地域社会そして国家によって取られる開発への道のりこそが、災害リスク軽減の決め手となる。

 同副総裁はまた、UNDPが国連システムをリードする開発機関として、災害リスクの軽減と管理への取り組みを各国の開発戦略に統合することを通じ、それぞれの開発イニシアティブが「災害に耐え得るもの」となるよう、開発のパートナーとして各国と連携してゆく姿勢を強く打ち出しました。さらに副総裁は本会議の参加者に対し、災害リスクがグローバルな解決策を必要とするグローバルな問題であるという認識を高め、この課題に団結して取り組むためにも、UNDPと連携するよう求めました。

 4,000名を超える各国代表者が集う「国連世界防災会議」は、1994年に横浜で開催された「国連防災世界会議(横浜会議)」において採択された「横浜戦略とその行動計画」の実施状況のレビューを目的としています。また、災害リスク軽減という視点を貧困削減および開発のための諸戦略と一体化するための実践的かつ具体的な方策の特定に向けた関心を喚起するべく、各国政府関係者および政策決定者を動員し、方向づける場としての役割を果たすことも期待されています。これは、ミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた、ひいては持続可能な人間開発の実現に向けた、極めて重要な取り組みといえます。

 本会議は、アジア地域を襲った津波被害への対応をめぐり、国際社会がまさに対応策を決めようとしている重要な時期に開催されることとなりました。会議では、災害の影響を被りやすい人々に照準をあてた取り組みが急務の課題であること、また、災害リスクへの対処にあたってグローバル/地域/国/地方ごとの行動を強調するばかりでなく、地域社会のニーズを考慮することの必要性について、大きな関心が集まることが予想されます。

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 UNDPは現在、アフリカ、アラブ、アジア、中南米・カリブおよびヨーロッパ・CIS地域の40カ国以上において災害リスク管理のための、また、30カ国以上で災害復興計画の策定と実施のための能力構築プログラムを支援しています。UNDPはまた、国連システムの災害管理研修プログラム(DMTP)を運営しています。

以上

UNDP危機予防復興支援局(BCPR)ウェブサイト(英語)


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