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ニュースルーム −プレスリリース−

2005年05月05日

ニューヨーク
ケマル・デルビシュ氏のUNDP次期総裁就任を国連総会が承認

 本日、国連加盟191カ国の代表が参加する国連総会において、ケマル・デルビシュ氏(56歳)を国連開発計画(UNDP)次期総裁とすることが、満場一致で承認されました。これは、コフィ・アナン国連事務総長による同氏の総裁候補指名が、36カ国からなるUNDP執行理事会によって支持されたことを受けたものです。デルビシュ氏は、2005年1月に国連事務総長内閣官房に任命されたマーク・マロックブラウン現総裁の後を引き継ぎ、2005年8月15日より4年任期のUNDP総裁職に就任する予定です。UNDP総裁は、国連機関の国際支援復興活動の調整役を担う国連開発グループ(UNDG)議長職も兼任します。

 現在トルコ大国民会議議員として活動中のデルビシュ氏は、世界銀行で22年間の勤務経験を有します。1990年代半ば、世銀中欧局長として「ボスニアの自助努力に寄与すること」を重視しつつ、欧州連合によるボスニア復興のためのプログラムを統括しました。貧困削減・経済運営担当副総裁在任中は、政策策定プロセスへの市民社会の参加を伴った、最貧国における改革要綱の拡大・深化を目指し、「貧困削減戦略ペーパー(PRSP)イニシアティブ」の開発に主導的役割を果たしました。その後、トルコ大蔵大臣を務め、2001年のトルコ経済危機に際しては、復興プログラムを主導して同国経済の回復に尽力しました。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)にて経済学士・修士課程を修了、プリンストン大学より経済学博士号を取得した同氏は、英・土・仏・独語に堪能です。近著“A Better Globalization”(Center for Global Development刊)は、そのグローバル・ガバナンスに対する「斬新なアイデア」をセディジョ前メキシコ大統領に高く評価されました。

 新総裁の就任までUNDP総裁職に留まるマロックブラウン現総裁は、国際的に著名なアドバイザーであり自国の大規模な経済改革に際して閣僚経験者として主導的役割を果たしたデルビシュ氏の実績が、UNDPにとって計り知れない強みとなるであろうことを特に強調しています。「変革に向けた外部からの要求をデルビシュ氏はよく理解している。同氏ならば、UNDPのアドバイザリー・能力強化サービスが、MDGs達成に向けて取り組む各国にとって、主要かつ実効的な支援の源としての地位を築くことを可能とするであろう。」

 コフィ・アナン事務総長もまた、デルビシュ氏を新総裁候補として指名するにあたり、同氏が優れたUNDP 総裁となることを確信していると述べています。「私は世界中の卓越した候補者のなかからデルビシュ氏を選んだ。同氏は開発・国際金融の両分野において、貧困削減への情熱的な姿勢と管理者としての確かな手腕によって、実務・知的業績の双方に高い実績を残してきた。私は彼が、過去6年間にマロックブラウン現総裁が成功裏に成し遂げてきた改革への取組みをさらに継続し、グローバルな開発の重要課題に対処するうえでのUNDPの重要な役割をさらに強固なものとしてくれることを確信している。」

 デルビシュ氏は総会の承認を受けて、次のように述べています。「国連事務総長および国連総会が、私のUNDP 新総裁就任への信任を寄せてくれたことを大変喜ばしく思う。貧困撲滅への取組みにおいては常に最前線に立ち、自由と尊厳を享受しながら生活するという、総ての人々の権利のために主導者として闘ってきたUNDPのために働く機会を是非楽しみたい。マーク・マロックブラウン現総裁の後を引き継ぎ、差し迫ったグローバルな要求であるミレニアム開発目標(MDGs)の達成に尽力しているこの機関を率いることは、私にとって非常に名誉なことで、得難いチャンスでもある。平和、安全保障、経済開発、そして自由は不可分に結びついている。コフィ・アナン国連事務総長によって提起された国連の全体的強化および改革に貢献できる機会を得たことにも大いにやりがいを感じている。」

 UNDPは、国連システム最大の独立採算機関であり、開発途上国全域における極度の貧困の削減と民主的ガバナンスの促進という国連の取組みにおいてグローバルな主導者としての役割を果たしています。国連事務総長によるケマル・デルビシュ氏指名によって、UNDPとしては初めての被援助国出身の総裁が誕生することとなりました。

以上


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