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ニュースルーム −プレスリリース−

2005年08月16日

元トルコ経済財務相ケマル・デルビシュ氏、国連最大機関の舵を取る━ UNDP新総裁、2005年世界サミットにて開発アジェンダを推進━

 世界の指導者達が飢餓と貧困の終結に向けた進歩を評価するために集う世界サミットを一ヵ月後に控え、トルコ経済財務相、ヨーロッパ代表者会議メンバーおよび世界銀行上級管理職を歴任したケマル・デルビシュ氏(56歳)が、ニューヨーク時間の15日、国連開発計画(UNDP)総裁に就任しました。世界的に著名な経済学者であるデルビシュ氏は、国連最大の機関であるUNDPの総裁としては、初めての開発途上国出身者でもあります。

 「今日の複雑な世界において、国連で貧困撲滅と民主的ガバナンス実現の最前線に立つことは、ひとつの挑戦であると共に、またとない機会でもある。UNDP での仕事は刺激に満ちている」と語るデルビシュ氏は、国連が9月14日から16日の2005年世界サミット開催に向けて準備を整えている最中の総裁就任となりました。サミットでの主要な議題は、5年前のミレニアム・サミットにおける189の国連加盟国による合意に基づいて策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の2015年達成に向けた進捗状況の評価です。MDGsには、貧困と飢餓の半減、HIV/エイズの蔓延阻止、普遍的初等教育の達成などが含まれています。

 「先月のG8サミットにおける債務救済と援助増加の合意を背景として、世界サミットは歴史的な機会になるだろう」と総裁は言います。「私は、2015年が人類の歴史における画期になると信じている。その年は、人類の大きな前進を意味し、UNDPの仲間達と私はその事業に深く関われることを誇りに思っている。」

 UNDP総裁就任以前、デルビシュ氏はトルコ大国民議会議員を務め、また、ヨーロッパ・トルコ議員合同委員会のメンバーでもありました。2001年から2002年には、トルコ経済財務大臣としてトルコの金融危機終焉に向けて改革を手がけました。彼の政策によりトルコは持続的な経済成長を実現し、EU(ヨーロッパ連合)加盟国の候補になりました。22年間におよぶ世界銀行勤務時代には中東・北アフリカ地域担当副総裁としてボスニアの和平・復興プロセスに尽力した他、貧困削減・経済運営担当副総裁として貧困削減戦略ペーパー(PRSP)策定を推進し、最貧国における市民社会の政策決定過程への参加を促しました。

 デルビシュ氏は、トルコ語以外にも英語、仏語、独語に堪能であり、プリンストン大学にて経済学博士号、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)にて同修士号を取得しました。また、近著 ”A Better Globalization”は、国連強化を含めたグローバル・ガバナンスに関する斬新なアイデアを唱え、高い評価を受けています。

以上


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