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2006年03月08日

UNDP/日本政府/JICAによるインフラ共同研究プロジェクト、報告書を発表

 3月8日、UNDP/日本政府/国際協力機構(JICA)による共同研究プロジェクト「Making Infrastructure Work for the Poor(インフラ事業を貧困層のために)」の報告書が発表され、ノーベル経済学賞受賞者のアマルティア・セン教授を基調講演に迎えた記念シンポジウムがニューヨークにおいて開催されました。

 2003年の日本-UNDPハイレベル級協議を出発点とするこの共同研究プロジェクトは、ミレニアム開発目標(MDGs)に掲げられている「貧困削減」への取り組みにおけるインフラ事業の役割を、バングラデシュ、セネガル、タイ、ザンビアの4カ国における小規模インフラ整備事業を事例に検証したものです。今回発表された報告書には、主要な結論として以下3点が挙げられています。1)地域社会に基盤を置いた小規模インフラは、人間貧困および人間の安全保障の諸側面の改善に直接的かつ多大な効果を発揮する、2)地元の地域社会は、これらの小規模プロジェクトにより強いオーナーシップ意識を持つ、3) 小規模プロジェクトと大規模な国家的または国際的インフラ開発には相乗効果が認められる。

 シンポジウム基調講演においてセン教授は、報告書を高く評価した上で、インフラの未整備は貧困に大きな影響を及ぼしているが、決してそのことだけが貧困層を貧困状態に留め置く要因ではない、と述べました。就学、保健サービスへのアクセス、市場における物品販売等に際して基本インフラが未整備であることが貧困の要因ともなり得るとし、「低所得には様々な要因が影響している」ことを強調しました。

 大島賢三国連大使、西本昌二UNDP総裁補兼開発政策局(BDP)局長などが参加して行われたパネルディスカッションでは、小規模地方インフラプロジェクトは、単に支線道路や橋を作ったという事実以上の効果をもたらすことが可能であるとする議論が行われたほか、ジェンダー平等を推進するうえでのインフラの役割の重要性も指摘されました。また、西本BDP局長は、「Making Infrastructure Work for the Poor」プロジェクトは、UNDPと日本のパートナーシップの実り多い歴史における新たな幕開けである、と評価しました。


Making Infrastructure Work for the Poor (英文 本文)
Making Infrastructure Work for the Poor Summary Report (英文 概要)


以上



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