2007年02月05日
8カ国において試験的な国連改革を施行
2007年2月1日、ニューヨーク
ケマル・デルビシュ国連開発グループ (UNDG)議長*は、2007年2月1日に、アルバニア、カーボヴェルデ、モザンビーク、パキスタン、ルワンダ、タンザニア、ウルグアイおよびベトナムの8カ国において、国連諸機関が国別レベルで一体となって連携を強化していくことを発表しました。これらの国々は、昨年、「ひとつの国連(One UN)」と称される連携強化方策が実施されるパイロット計画選定国となることを申し出ていました。
「これら8つのパイロット国は、その所得の規模と水準において、幅広い多様性を映し出しており、また広範囲にわたる国連活動が展開されている国でもあります。我々は国連の開発活動を強化するうえで、幅広い議論を展開できるような価値ある実際的な教訓を学ぶべく、これらのパイロット国での成功を楽しみにしてします」と、デルビシュ議長は述べています。
「ひとつの国連」は、国連の諸機関が支援を展開する国において、どのようにすればより調整された支援を提供できるかを試みる取り組みです。その目的は、国連諸機関が有する異なる長所と比較優位性を基に、「ひとつの事業」と「ひとつの予算枠組み」、そして権限が強化された国連常駐調整官の役割をもって、より速く、より効果的に開発活動を実行し、強化された国連の存在を確立してミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた進展を加速させることです。
21世紀の課題に対峙する国連の能力を強化する方法を分析するために国家元首らと政策立案者によって構成された「開発・人道支援・環境分野の国連システムの一貫性に関するハイレベル・パネル」は、パイロット国における「ひとつの国連」プログラムの実施を勧告しています。
この取り組みの狙いは、国連が重複と業務コストを下げることによって、パートナー国の開発目標達成に効果的な資源活用を行うことです。いくつかのドナーは、国レベルで資金を共同出資することによって、国連の仕事をより首尾一貫した形で支援することが可能になると示唆しています。
「これらのパイロット国における試みは、国連が諸機関の専門知識、経験と能力をひとつに集約して国家の開発戦略を支援することを公約するものです。それぞれの専門機関は豊かな知識と開発に関与する強い意欲をもっています。そして、国連諸機関の協力体制は、大きな利益を生みだすでしょう」とデルビシュ議長は述べています。
来年、UNDGと国連加盟国はこのパイロット事業を評価し、より多くの国々にこの事業を拡大してゆくことが可能かどうか検討します。
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*国連開発グループ(UNDG)は1997年に当時の国連事務総長によって、国連改革に対する手段として国レベルでの国連開発の効果を改善するべく結成されました。UNDGは開発に取り組んでいる国連諸機関を取りまとめます。議長は事務総長に代わり国連開発計画(UNDP)総裁が務めています。
UNDGは、加盟する国連諸機関が国々における課題を分析し、支援戦略を計画し、開発支援を施行し、結果を監視して、改革を提唱することを実現させるべく、共に活動できるように政策や手順を策定します。これらの取り組みは、国連が貧困削減を含むミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けて国々を支援する際に、その影響力を増強させます。
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