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ニュースルーム −プレスリリース−

2007年11月02日

世界の貧困削減に向けた国連とGoogle、CiscoによるMDG Monitorサイトについて
MDG Monitorでミレニアム開発目標 (MDGs)の進捗状況を確認できるようになりました。

[国連、11月1日] — 国連とGoogle株式会社(Google)、シスコシステムズ株式会社(Cisco)は11月1日、国連本部において、2015年までに世界の貧困を半分に減らすミレニアム開発目標(MDGs)の実現に向けた進捗状況を確認できる新しいオンラインサイトMDG Monitorを発表しました。

潘基文(バン・ギムン)国連事務総長は、MDG Monitorと名づけられたこのプロジェクトを発足させ、世界的な協力を進める必要性を強調しました。MDG Monitorのサイトは本日からwww.mdgmonitor.orgでアクセスすることができます。

記者会見で潘国連事務総長は「MDGsの達成は世界的な課題であり、政府、国際機関、民間企業と市民社会とが協同していかないとならない。今回GoogleとCiscoがMDG Monitorサイトの作製に協力してくれたことは、まさにわれわれが求める革新的なパートナーシップの一例であり、感謝するものである」と語りました。

発表記者会見には、潘国連事務総長とともに国連開発計画(UNDP)のケマル・デルビッシュ総裁、Ciscoからキャロス・ドミンゲス上席副社長およびGoogleからマイケル・ジョーンズGoogle Earth and Maps最高技術責任者が出席しました。

MDG Monitorでは、世界中のほぼすべての国のMDGs達成の進捗状況を、いろいろな分野別に観察することができます。MDG Monitorのサイトでは、開発を主導する複数のリソースから、公衆衛生や教育、女性の社会的地位の向上などの最新のデータを提供しています。MDG Monitorは、向上・改善すべき分野と継続する課題を明らかにし、世界に公開することで、MDGsに対する国際社会の関心を集め続け、世界中の政策立案者や開発関係者に対して不可欠な情報を提供することが期待されています。


MDG MonitorはGoogle Earthを利用して世界地図を上空から眺めることができ、MDGs達成のためにどこでなにが行われているのかを確認することができます。地図上でクリックすることで簡単に国連機関が集めたその国のMDGsに関するデータが閲覧でき、3億人を超えるGoogle Earth利用者はMDGsとその達成のために何が必要であるか知ることができます。こうした情報は現在はMDG Monitorウェブサイト www.mdgmonitor.orgでダウンロードでき、まもなく“Global Awareness layer”機能に追加される予定です。

Googleのマイケル・ジョーンズGoogle Earth and Maps最高技術責任者は「私たちはUNDPとともに、人々のMDGに関する意義深いデータベースへのアクセスを容易にすることに協力できたことを誇りに思います。MDGsと人間開発の問題がより広く、より身近に議論されることは私たちの望みであり、Google Earthと世界中のユーザーの皆様方がそれを実現させる大切な役割を果たすだろうと信じています」と語りました。
 
Ciscoは、ビジネスや技術の専門知識を社会問題に応用することなどを含めたコーポレート・シチズンシップを進めており、MDG Monitorを開発するために専門家による助言や技術的・財政的支援を提供しました。Ciscoが行っているCSR活動の多くはグローバルな教育イニシアティブなどを通じた普遍的初等教育の達成など、MDGsに沿ったものです。

Ciscoのカルロス・ドミンゲス上席副社長は、「わが社は技術の力が、それを利用する人間の創意工夫によって、グローバルな社会経済問題に効果的に対処でき、持続的な変化につながると信じています。私たちはMDGsを実現するために協同して働くことの大切さを理解しており、今回この意義ある取り組みに参加できたことを誇りに思います。私たちはMDG MonitorがMDGs達成のための専門知識とリソースを必要とする国々で効率的に活用されるとともに、目標達成に成功した国々に光をあてることになる、と確信しています」と述べました。

Bontron & Co社もまた、MDG Monitorのロゴ作成に協力しています。

MDGsは、2000年に189カ国の加盟国代表者よって合意されました。8つの目標、つまり極度の貧困と飢餓の半減、普遍的初等教育の実現、ジェンダーの平等を促進と女性の地位向上、乳幼児死亡率の削減、妊産婦の健康の改善、HIV/AIDS、マラリア、その他の疾病の蔓延防止、環境の持続可能性の確保、そして開発のためのグローバル・パートナーシップの推進に向けて、明確な達成目標と期限を設けています。UNDPは、MDGsのキャンペーン・マネジャー兼スコア・キーパーに任命されており、進捗状況を追跡するとともに認識を高める革新的な手段としてMDG Monitorを始めました。

MDGsの合意から約8年が経過していますが、いまだに1日1米ドル未満で暮らす人々が10億人近くおり、毎年6百万人の子どもが栄養失調により5歳の誕生日を迎えられずに亡くなっています。最貧国では初等 教育を受けられる子どもの数は半分以下であり、中等教育を受けられるのは20%以下の子どもです。

UNDPのケマル・デルビッシュ総裁は「MDG Monitorによって、たった一回のクリックで人間開発における挑戦と成功が人々の身近なものになりました。今後MDG Monitorが、必要なリソースを集結させ、すべての人々にとって平等で持続可能な世界を達成する手助けとなることを期待します」と結んでいます。


*お問い合わせ*
UNDP東京事務所 西郡 (広報・市民社会担当官:03-5467-4875 toshiya.nishigori@undp.org ) まで。

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国連開発計画(UNDP)は国連システムのグローバルな開発ネットワークとして、変革への啓蒙や啓発を行い、人々がよりよい生活を築けるよう、各国が知識や経験や資金にアクセスできるよう支援しています。われわれは、166カ国で活動を行い、各国の人々とともに、グローバルな課題や国内の課題に対し、それぞれの国に合った解決策が見出せるよう取り組んでいます。詳しくはwww.undp.org(英語)もしくは日本語サイトwww.undp.or.jpまで。


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