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2008年02月25日

UNDPとFortis社がMDGカーボン・ファシリティで実施するプロジェクトを発表
‐ウズベキスタン、マケドニア、イエメンおよびルワンダにおいて温室効果ガス削減プロジェクトを開始

<ブリュッセル、2008年2月21日>
国連開発計画(UNDP)とオランダ‐ベルギー系保険・金融業大手であるFortis社は21日、第6回欧州ビジネス・サミット「Greening the Economy」において、京都議定書の炭素取引メカニズムを通じて温室効果ガス削減開発プロジェクトを支援するために共同で2007年に設立したMDGカーボン・ファシリティに基づき、初めてのプロジェクトに合意したと発表した。

今回合意されたプロジェクトは、ウズベキスタン、マケドニア、イエメンおよびルワンダの4カ国で開始され、排出権取引による資金を、環境保護だけではなく、社会的・経済的開発に役立てることを目標としている。これらのプロジェクトは、これまでクリーン開発メカニズム(CDM)による利益を被ることがほとんどなかった国やCDMの実施がほとんどなかった国に対し、利益を与えることになろう。このファシリティの名前にもなっているMDGとは、ミレニアム開発目標(MDGs)のことで、2015年までに世界の貧困削減と保健、教育、環境と平等の分野で大きな進歩を目指す国際社会共通の開発目標である。

「Fortis社は、炭素取引による利益を新たな開発途上地域にもたらすために、UNDPとともに取り組むことを誇らしく思います。これらのプロジェクトはほんの始まりで、私たちが提唱している炭素取引からさまざまな収益をあげられることを証明する素晴らしい機会となるでしょう。今や、気候変動のモメンタムを実践に移し、あらゆる側面で進展させる必要があります。」とFortis社投資銀行部門環境マーケット・マネージャーのSeb Walhain氏はコメントしている。

UNDP開発政策局長を務め、潘基文国連事務総長が率いる気候変動チームの一員でもあるOlav Kjorven氏は、「MDGカーボン・ファシリティは、途上国の現場で持続可能な開発を支援するとともに、世界的な排出量削減のための取り組みに貢献できるのが特徴です。Fortis社の参画は、民間セクターが気候変動の対応においても積極的な役割を果たすことができることの証明となるでしょう」と述べている。

今般合意されたMDG カーボン・ファシリティのプロジェクトは、ウズベキスタン、マケドニア、イエメンにおけるメタンガス回収プロジェクトおよびルワンダにおける再生可能エネルギー・プロジェクトの計4案件であり、基本合意を受けて、現在UNDPとFortis社によって、詳細をつめている段階である。

MDGカーボン・ファシリティは、CDMと共同実施(JI)の枠組みに基づき運営され、京都議定書の市場メカニズムに基づいて、先進国が温暖化ガスの排出を削減し、排出量の上限を守るために、 途上国から炭素クレジットを購入することを可能にするものである。既に排出権取引は、10億米ドル規模の国際市場へと急成長しているが、排出権プロジェクトが実施されている地域は、主に市場規模の大きい開発途上国に限られており、提供される技術も長期的には持続可能な開発に、限定的にしか寄与できないものが中心である。

MDGカーボン・ファシリティのパートナーシップの下では、プロジェクトが京都議定書で合意された基準に合致するように、また、環境と人間開発のために持続可能な利益を提供するように、UNDPが、開発途上国の温室効果ガス排出削減プロジェクト計画を支援してゆくことになる。Fortis社は、これらのプロジェクトで生じる炭素クレジットの売買を行い、取引から得た利益を、より開発途上の国々やコミュニティにおいて必要な資金を提供し、開発を促進するための、新しい 資源を提供することになっている。

UNDPとFortis社とのパートナーシップでは、京都議定書に定められている第一約束期間 (2008-2012)の間に1500万分の炭素クレジット取引を創出するプロジェクトを支援する予定である。この目標の達成のために、UNDPとFortis社は、MDGカーボン・ファシリティに参加する有望な排出削減プロジェクトを募集しており、情報をwww.mdgcarbonfacility.orgで紹介している。

国連開発計画(UNDP)について
国連システムのグローバルな開発ネットワークとして、変革への啓蒙や啓発を行い、人々がよりよい生活を築けるよう、各国が知識や経験や資金にアクセスできるよう支援しています。われわれは、166カ国で活動を行い、各国の人々とともに、グローバルな課題や国内の課題に対し、それぞれの国に合った解決策が見出せるよう支援しています。それぞれの国の能力強化にあたっては、UNDPのスタッフの知識や幅広い分野のパートナーシップが役立っています。
全世界で70億ユーロに相当するエネルギーと環境分野のプロジェクトを実施しているUNDPは、世界でも有数の気候変動問題に対する技術支援提供機関です。さらなる情報はwww.undp.or.jpをご参照下さい。

Fortis社は、銀行と保険分野で金融サービスを提供する総合金融機関です。Fortis社は、個人、商業および機関投資家に対し、包括的な金融商品およびサービスを、独自のネットワークや金融仲介機関を通じて提供しています。328億ユーロ(2008年1月31日現在、約5兆2千億円)の時価総額を有し、欧州では15大金融機関の1つです。


お問い合わせは、UNDP東京事務所 西郡 (広報・市民社会担当官:03-5467-4751 toshiya.nishigori@undp.org ) まで。


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