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2008年02月29日

イラクでの母子病院建設のためにUNDPと日本政府が合意

<アンマン、2月26日>
国連開発計画(UNDP)と日本政府は、イラクのアンバール県ファルージャにおける母子病院設置のために、日本政府がUNDPを通じ1億7600万米ドルの無償資金協力を行うことで合意し、26日に合意書簡をヨルダンの首都アンマンにおいて交換しました。ギリシャ国土よりも大きな面積を誇るアンバール県は、2003年5月以来、武装勢力と多国籍軍との間で激烈な戦闘が繰り返され甚大な被害を被った地域です。

このプロジェクトは、現在のファルージャ総合病院が移転することになっているため、今後24ヶ月間に、既存の総合病院を産婦人科・小児科専門病院へと改修・転換することを目的としています。このプロジェクトにより、既存の施設は産科・婦人科・小児科を集中的に診る支援施設へと縮小されることになります。現在、産科の病床使用率は120-470%で、大幅に不足しており、2006年の同病院での出産数は年間6,840例、一日あたりでは19例であり、そのうち2例は未熟児であるなど、危機的な状況が続いています。

パオロ・レンボ国連開発計画イラク事務所代表は、今回の書簡の交換に関し、「本パートナーシップにより実施される母子病院設置プロジェクトは、UNDPと日本政府との間の長年の効果的な協働、成功の実績からなる強固な基盤のうえに成り立つものである。このような医療支援は長期間にわたって何百万のものイラクの人々の生活を向上させることになり、重要なインパクトを与えることになるでしょう」と述べています。

このプロジェクトは既存の総合・内科病院施設の改装、機材の整備と新機材の導入、院内管理の強化および病院の運営と維持管理を行うための職員の能力強化、良好な母子の健康管理例の提供を含みます。平和の成果を実感してもらうための病院の設立の広報等とともにUNDPがUNFPA(国連人口基金)およびWHO(世界保健機構)の協力のもとで実施してゆくことになります。

UNDPは、イラクでの保健分野における活動としては、バグダッドのKhadimiyahの教育病院における機材整備と能力開発プロジェクト、Tikrit とRamadiにおける総合病院の再建、Halabjaにおける母子病院の建設を行っているが、これらは全て日本政府との協力によるものである。UNDPはまた、バスラの小児病院の建設に部分的に携わっている。

日本政府は、復興および開発支援において主要な役割を果たしており、2003年よりは16億米ドル相当の無償資金協力と技術協力を実施し、また2007年8月までに10案件、合計21億米ドルの融資をイラクに対して行っています。


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