2008年05月09日
UNDP、ミャンマーのサイクロン被害者へ緊急支援
<ヤンゴン、ミャンマー 2008年5月8日>
ミャンマー当局によると、5月2から3日にかけてミャンマーを襲ったサイクロン「ナルギス」は、少なくとも2万2980人の死者、4万2000人以上の行方不明者を出している。ミャンマーの大都市、ヤンゴンおよびエヤワディ・デルタ地域を「ナルギス」が直撃したことで、何万もの人々の家屋が失われ、緊急人道支援が求められている。ミャンマー政府は両地域を激甚災害地に指定した。
時速120キロの強風が車を吹き飛ばし、木々を引き抜き、ヤンゴンの建物、電力と通信設備を破壊した。ヤンゴン市内では、水、通信と電力供給が部分的に復旧しているものの、サイクロンの被害は甚大で、人口600万のヤンゴンの復興には長い時間がかかると予測される。人口700万が暮らすデルタ地域では、サイクロンの影響は更に深刻で、村ごと水没し、史上最大の犠牲者数を記録している。
国連開発計画(UNDP)は、この地域に活動拠点がある唯一の国連機関であり、ラブッタではUNDPのマイクロ・ファイナンス・プロジェクトに従事するNGO職員5人と、多くの職員の家族や親族が死傷した。
UNDPは、緊急人道支援機関ではないものの、プロジェクトを実施しているボガライ、キャイクラット、ラブッタとマウラミネグンの4つの被災管区に、ミャンマー人スタッフによるチームを交代制で派遣し、現場スタッフとともに、被害の調査を進め、小規模ながら救援物資や支援を行っている。
UNDP 副常駐代表のサナカ・サマルシンハ氏は、「生き残った人々のケアが最も重要です。多くの人々が家や身近で大切な人を失っています。UNDPは、これまで私たちが活動してきた村落や共同体を、できる限り支援しようとしていますが、サイクロンによってUNDPの船も破壊されたため、人々のニーズに応えるためには、道路でアクセスできる地域に限られているのが現状です。」と述べた。
ミャンマーの国連国別チームによると、現地で必要とされているのは、ビニール・シート、浄水錠剤、調理用具、蚊帳、救急医療セットおよび食料であるという。人道支援機関が、災害規模に関する情報収集にあたる一方、国連は救援活動を調整するため、9つのクラスターからなる支援制度を整えた。UNDPはそのうち早期復興クラスターを主導し、災害への緊急対応を中長期的な復興につなげる重要な早期復興支援を担うことになっている。
お問い合わせは、UNDP東京事務所 西郡 (広報・市民社会担当官:03-5467-4751、toshiya.nishigori@undp.org ) まで。
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