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ニュースルーム −プレスリリース−

2008年06月04日

40億人が法の支配から除かれている―「法律によって貧困層の権利を守る(The Commission on Legal Empowerment of the Poor)」委員会が、報告書『法律をすべての人々のために(Make Law Work for the Poor)』を発表

6月3日、ニューヨーク:この地球上に暮らす大半の人々である40億人は、法の支配から除外されているために、よりよい人生を構築する機会を奪われている。本日ニューヨークで発表されたリーガル・エンパワーメント委員会による報告書は、こうした現実を明らかにし、各国政府、国際機関そして市民社会に対し、貧困層の法的権利を守ることを世界の貧困との戦いの中心にすえるべきだと呼びかけた。

「教訓ははっきりしている。民主的統治が無視され、人々を守る法がないときに最も苦しむのは、最も資産の少ない人々である。法律、権利、法の執行や判決の基盤を整えることによって、何億もの人々に、脆弱性から安全性へ、絶望から尊厳へといった違いをもたらすだろう。」と、国連開発計画(UNDP)が支援する「貧困層のためのリーガル・エンパワーメント委員会」の共同議長を務めるマデリン・オルブライト元米国国務長官は述べた。

今回発表された報告書『法律をすべての人々のために(原題: Making the Law Work for Everyone)』は、世界の都市部にいる半数の人々が、無権利居住者の集落に住み、地下経済の仕事に従事していることを指摘している。そして、さらに多くの人々が、土地や他のリソースに対し、限られたアクセスしかできない、孤立した地方に住んでいることを指摘している。こうした人々は、法の支配の外側で生活している。つまり非公式な雇用契約に従事し、未承認の事業を展開し、多くの場合、正式な使用権を持たない土地を占領している。家屋や事業が正式に登録されていない割合は、フィリピンでは65%、多くの国で80%を超え、タンザニアに至っては90%であるという。非公式経済は、開発途上国の経済の三分の一以上を占めている。

「法は大学で考え出されるようなものではなく、見出すものなのです。貧しい人々の間では、すでにさまざまな合意や社会契約があります。私たちは、こうした契約を専門的に標準化し、すべての人々が認識し、遵守することのできる法体制へと整備すべきなのです。」とヘルナンド・ド・ソト共同委員長は述べた。

同委員会は、現代の市場経済が法制度なくして機能しないことを指摘し、市場の力は法制度に従うべきであると強調している。本報告書は、各国政府および国際社会が、貧困層のリーガル・エンパワーメントのために中心にすえるべき重要な項目として、法の支配と正義へのアクセス、財産権、労働者の権利、商業の権利の4つを挙げている。

貧困層のためのリーガル・エンパワーメント委員会は、世界中から集まった首脳経験者、閣僚、法律専門家、経済研究家や政策立案者からなる21人の委員により構成されている。過去3年間、政府、学究的世界、市民社会および草の根活動からの代表者とともに22カ国で協議を行い、ワークショップを5回開催し、随時専門的な報告書を発行している。

*レポート『Making the Law Work for Everyone』はこちらよりダウンロード可能
*貧困層のためのリーガル・エンパワーメント委員会のページ


この件についてお問い合わせ:
UNDP東京事務所広報官:
西郡俊哉、電話:03-5467-4751, e-mail: toshiya.nishigori@undp.org 

貧困層のためのリーガル・エンパワーメント委員会
Shomwa Shamapande 、電話:+1-212-906-6127, e-mail: Shom.Shamapande@undp.org  

 


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