2008年12月19日
最新の国連データが人間開発の進捗を明らかに ― 人間開発指数2008年度版、日本は179か国中8位、首位はアイスランド、最下位はシエラレオネ
2008年12月19日、ニューヨーク: 国連開発計画( UNDP)は18日、人間開発指数(Human Development Index:HDI) 2008年度版:最新統計をオンライン上で発表した。今回は基礎的データの主な変更をよりよく説明するために、初めて、人間開発報告書とは別に発表された。特にHDI 2008年度版は、多くの国々において購買力平価(PPP)を中心に大幅な調整がなされ、HDIおよびそれに伴う各国の順位が変動した。
今般発表された統計から、人間開発において豊かな国々と貧しい国々との格差は依然存在するが、2006年は世界の多くの国々が経済動向や教育の面における改善によって人間開発が進捗している傾向を示しており、特に1980年および2006年の両年のデータが得られている80カ国すべてにおいて教育面における改善が確認できた。アフリカの南部にある幾つかの国では、主にHI/エイズに起因する人間開発の後退がみられたが、ボツワナやザンビアなどの国では回復の傾向が明らかになった。
HDIは、179の国と地域を分析している。今回はあらたにリベリア、 モンテネグロおよびセルビアの3カ国のデータが追加された一方、ジンバブエは、所得統計データの問題によって本年は掲載されていない。今回の最新統計はまた、国家間および国内におけるジェンダーと所得の不平等についても分析しており、ジェンダー平等および女性のエンパワーメントについてさらに検討してゆく必要があることも示している。今回統計では、2006年のデータが使用されており、昨今の経済危機の影響は反映されていない。
なお、日本に関する主なデータは下記のとおり
人間開発指数 (HDI):8位 【0.956、 2007年度8位→】
ジェンダー開発指数 (Gender Related Development Index: GDI):12位 【0.944、2007年度13位↑】
ジェンダーエンパワーメント指数 (Gender Empowerment Measures: GEM):58位 【0.575、2007年度54位↓】
人間開発報告書は1990年の発刊以来、世界中で開発政策に関する分析を行い、政策課題を設定し、方向性と開発手法への提言を行ってきた。2010年に発刊20周年を迎える人間開発報告書では、これまでの人間開発への取り組みの成果を振り返りながら、21世紀の開発課題に焦点をあてる予定である。
人間開発報告書の年次刊行は継続される予定であり、来年発行される人間開発報告書2009年版では「移住」に関する国内外の課題に焦点をあてる。そして各国の成長と格差における人口推移とトレンドの観点から、移住について洞察する。さらに、個人、家族および村単位での詳しい事例を提示し、短期および季節単位での移住者など、目に見えづらい移住についても調査するなど、政策のひずみがもたらす潜在的な不平等が中心的な課題となっている。
人間開発指数(HDI)2008年度版は国別ファクトシート、世界人間開発地図などともに、こちらにて公開 (英語のみ)。
*なお、統計に使用されたデータは2006年時のものを使用しているため、現在の経済危機によって生じた影響は反映されていない。
詳細に関するお問い合わせ:
UNDP東京事務所
Tel:03-5467-4751
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