2009年01月13日
日本政府がUNDPを通じ「スーダン共和国における武装解除・動員解除・社会復帰プログラム」に対し1700万米ドルの無償資金協力を実施
2009年1月8日ハルツーム:UNDPと日本政府は8日、「スーダン共和国における武装解除・動員解除・社会復帰計画(The Sudan Disarmament, Demobilization and Reintegration Programme)」に対し、日本政府がUNDPを通じて総額15億7,500万円(約1700万米ドル)の無償資金協力を実施することを発表した。同日開催された調印式では、石井祐一駐スーダン大使とアミーラ・ハク スーダン国連事務総長特別副代表・UNDPスーダン事務所常駐代表が合意書に調印した。
石井駐スーダン大使は、調印式において「武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)プログラムは、スーダンの平和と安定の基盤を確立し、持続的な開発への道を開くものとなるでしょう。今回の日本政府の支援によって、すべての当事者が課題を克服し、DDRプログラムがタイミングよく円滑に実施できるよう、さらなる努力を続けることを強く希望しています」と述べた。
日本政府による今回の無償資金協力は、18万人の元戦闘員の社会復帰のために必要である3億8500万米ドルの資金の調達に向けて大きく貢献するものである。日本政府と同様にスーダンのDDRプログラムを支援するイタリア政府は、300万ユーロ(約410万米ドル)を拠出している。
ハク スーダン国連事務総長特別副代表・UNDPスーダン事務所常駐代表は「DDRプログラムを完全に実施するために、ドナー・コミュニティが今回の日本政府やイタリア政府の支援に続くよう促したい。そして、私たちのパートナーであるとともに、DDRプロセスのリーダーであり、オーナーであるスーダン統一政府と南部スーダン政府には、DDRプログラムをスーダン自らが実施できるようになるために、まず可及的速やかにDDRを推進する州事務所を設置し、職員を配置するように要請したい。」と呼び掛けた。
今回の日本政府による支援によってUNDPは、北部スーダンDDR委員会と南部スーダンDDR委員会が州事務所を設置し、州レベルで職員の能力強化や設備供与を行い、そして情報管理システムおよび監視・評価枠組みの開発を支援する。また、武装集団に関係する仕事に従事していた多くの女性および傷痍兵を含む元戦闘員の経済的な社会復帰にも資金が活用される予定である。
調印式に出席したスーダン北部DDR委員会のSulafeldeen Salih委員長は「ドナー・コミュニティを牽引してくれた日本政府の貢献に感謝します。私たちスーダン人は、武器を回収するだけでなく、人々が武装から離れ民間人へと戻るための努力を可能にするDDRプログラムの実施への決意をあらためて表明します」とコメントし、スーダン南部DDR委員会の William Deng Deng氏は 「DDR は開発と平和への架け橋です。日本の貢献はDDRプロセスに活力を与え、そして南北包括和平合意(CPA)の実施を支援してくれるでしょう」と述べた。
国際社会による支援を受けて、北部スーダンおよび南部スーダンで延べ18万人が、DDRプログラムによって、武装した生活に別れを告げ、社会復帰の恩恵にあずかることが見込まれている。このDDRプログラムは、UNDPによる技術的・輸送支援および国連スーダンミッション(UNMIS)による全体的な調整と管理の下、北部DDR委員会と南部DDR委員会が運営する予定である。
アフリカで最も長く続いた内戦を終結させた南北包括和平合意(CPA)は、2005年9月に調印されたが、DDRはこのCPAの主要な部分となっている。
詳細に関するお問い合わせ:
UNDP スーダン事務所
Aicha Elbasri: Head, Communications Unit, UNDP Sudan
aicha.elbasri@undp.org
UNDP東京事務所
西郡 広報・市民社会担当官 Tel:03-5467-4751
toshiya.nishigori@undp.org
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