2009年02月06日
ガザの公共サービスの復興支援について ― 早急な瓦礫の撤去と適切な評価が必要 ―
2009年2月4日エルサレム(UNDPパレスチナ人支援プログラム): パレスチナ自治区ガザで22日間続いた激しい軍事活動は、公共の施設や人々の住居を大量に破壊した。国連開発計画(UNDP)の初期調査によると、推定で14,000戸の住居、68の政府施設と31の非政府組織の施設が部分的もしくは全面的に破壊された。建物の瓦礫には有害物質や不発弾が混入している可能性があり、ガザにいるパレスチナの人々の命を守り、基本的な人道上および社会的な支援を実施する上で、瓦礫の撤去は喫緊の課題となっている。
国連が2月2日に発表した緊急アピールでは、パレスチナにおける基幹インフラや基本的な社会サービスの提供、公益事業の復旧費用として総額6億1,300万米ドルが要請された。UNDPは、このうち4,930万米ドルの資金を要請しており、その半分以上の資金は瓦礫や倒壊した建物の解体・撤去、不発弾の撤去に充てられ、この作業は計20万日分の雇用を創出すると見込まれている。残りの資金は、農業部門の復興や貯水池の修復に使われる。
さらに国連は緊急人道支援後に140万のガザの人々の生計を立て直すために、パレスチナおよび国際パートナーと協働して、今回の戦闘による被害と復興のニーズにかかわる包括的な評価を開始した。保険、教育、農業、インフラ整備や環境などの様々な分野に調査チームが送り込まれ、困難な状況下、現地情報の照合と精査を行っている。
UNDPは、国連と連携機関から構成される早期復興チームの調整役として、データと情報の収集・分析を取りまとめている。この評価報告書は、3月2日にカイロで開かれるドナー会合の場において、パレスチナ当局が発表する「ガザ早期復興計画」に使用されることになる。
パレスチナ保健省によると、今回のガザにおける戦闘では1,300人以上が殺害され、5,300人以上が負傷した。さらに保健施設、学校、発電施設、水と衛生設備そして農業および経済的生産が深刻な被害を受けるか、破壊されたため、人々の生活と生計全般に影響を及ぼしている。
ガザの支援では、まず交通とアクセスの復旧、基本サービス・インフラの再建、さらに今後発生するリスクと脆弱性の軽減に焦点を当てた多面的な早期復興対策を実施する必要がある。それと同時に人々の生計手段の確保、避難民のための施設、ガバナンス制度、治安と法による統治そして環境の持続性に対するさらなる投資も必要である。
国連機関がこの困難な課題を乗り越えるには、建築資材や部品、機材を含む必要不可欠な資材をガザに輸送しなければならない。イスラエルによる人や物資の封鎖の解除は、ガザに暮らすパレスチナの人々の生活と生計手段の復興を助けることになるだろう。
詳細に関するお問い合わせ:
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UNDPパレスチナ人支援プログラムのウェブサイト(英語)
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