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ニュースルーム −共同プレスリリース−

2009年08月04日

東南アジア初となる人身取引とHIVに関する民衆法廷がバリで開催





2009年8月4日 インドネシアバリ島デンパサール : 8月6日、『東南アジアにおける人身取引とHIVに関する女性法廷:脆弱な存在から、自由、公正、そして安全な移住労働へ』がバリで開催される。本法廷は、人身取引、暴力や搾取そしてHIV感染を経験した女性たちの生の声を届けるために初めて東南アジア地域で開かれる民衆法廷である。

本法廷はUNDP/JWIDを通じた日本政府の資金協力を受けて国連開発計画(UNDP)、アジア女性人権評議会(AWHRC)およびバリのNGO Yakebaが諸国連機関や市民社会のパートナーたちと幅広く連携し、同地で8月9日より開催される第9回アジア太平洋国際エイズ会議(ICAAP9)と併せて開催される。開廷にはムティア・ハッタ国務相(女性問題担当)が公式参加し、ナフィス・サディック国連事務総長アジア太平洋・エイズ問題特使が基調講演を行う。

『東南アジアにおける人身取引とHIVに関する女性法廷』では、HIVと共に生きる若いカンボジア人女性のワンタさんが国際的な人身取引業者によってマレーシアで性搾取された体験を語る。現在、彼女はプノンペンに戻り、HIVと共に生きる声なき被害者たちと一緒に生活している。インドネシア出身のニータさんは、東南アジア地域の貧しい女性たちがアラブ諸国に家庭内労働者として移住した際に受けた、尋常の域を超えた暴力について明らかにする。さらに、ミャンマー出身で人身取引の被害にあったリナさんは、本来彼女を守るはずであった法律によって逆に苦しめられた例を報告する。法廷に出廷するほかの証人たちも、自分たちの経験から同地域の貧しい女性たちが日常的にさらされている暴力や搾取について証言する。

『東南アジアにおける人身取引とHIVに関する女性法廷』は主観と客観、そして個人の経験と行政を織り交ぜるユニークな手法を取り入れて、女性の尊厳と権利への深刻な侵害を浮き彫りにする。さらに、これらの問題について東南アジアならびにその他の地域からの専門家たちによる掘り下げた分析を行う。

女性法廷国際コーディネーターのコリーン・クマールは女性法廷について次のように語る。「本法廷は、著名な有識者で構成される陪審たちの前で女性たちが自らの経験を語り、それは真実として受け止められ、そして新しい形の正義が追求されます。」また、「私たちが通常用いている概念や範疇では女性への暴力を正しく理解することができません。現行の法律はジェンダー問題に対応しておらず、私たちは傷ついた個人や共同体を癒す正義へと方向を変える必要があります。人身取引とHIVの関連性を、人間の尊厳、正義、健康そして各個人や共同体における人間の安全保障という視点から取り組むことが不可欠なのです」と訴えた。東南アジア地域は世界の人身取引の3分の1を占めると推計され、同地域は人身取引の発生、中継、そして目的地である。女性たちが越境人身取引によって性的搾取、労働搾取や代理出産の対象となった事例が証言され、女性たちの自発的、または強制的な国境間の移動の際に起きる様々な搾取の実態を明らかにする。

ケイトリン・ウェーゼンUNDPアジア太平洋地域HIV/エイズ プラクティスリーダー兼プログラム・コーディネーターは女性法廷について次のように述べている。「女性法廷は、人身取引とHIVに対する行動を求める声であり、東南アジアで筆舌に尽くしがたい搾取と暴力を生き抜いた女性たちの勇気と再生の証なのです。本法廷は一回限りのイベントではなく、人身取引、搾取や暴力にさらされ、HIV感染に対して弱い立場にある東南アジアの無数の女性たちの状況を実際に改善するためのプロセスの一環なのです」。

本法廷は国連薬物犯罪事務所(UNODC)、国連女性開発基金(UNIFEM)、人身取引に関するする国連機関合同プロジェクト(UNIAP)そしてアジア・太平洋HIV陽性者ネットワーク(APN+)のパートナーシップによるイニシアティブで、日本政府からの資金協力によって行われる。本法廷には、東南アジアにおける女性の人身取引やHIV感染に対する脆弱性を軽減し、女性をエンパワーすることによって変化をもたらすために取り組んでいる各機関のリーダーたちや政治関係者、活動家やコミュニティが一同に集結する。

本法廷は、

1.女性に対する国境無き暴力の根源、
2.移民、家庭内労働者、難民、性産業従事者、HIV陽性者とその他社会的弱者の人権保護
3.女性の自由な移動を妨げる法律と生きてゆくための手段の検証
4.女性が様々な課題を克服し成功することへの称賛 

の4つのセッションが行われ、各セッションは専門家による“参考人”によって進行が行われる予定である。
本法廷の陪審として下記の有識者の参加が予定される。

 Prof. Vitit Muntarbhorn (Prof. of Law and Former UN Special Rapporteur of the Commission on Human Rights on the
sale of children, child prostitution and child pornography, Thailand)
 Marina Mahathir (Steering Committee Member, Asia Pacific Leadership Forum on HIV/AIDS and Development, Malaysia)
 Annette Sykes (Lawyer, New Zealand)
 Sylvia Marcos (Director, Center for Psycho-ethnological Research, Mexico)
 Mieke Komar Kantaatmadja (Supreme Court Justice, Indonesia)
 Esperanza I. Cabral (Secretary, Department of Social Welfare and Development, Philippines).

本件に関するお問い合わせ先:

国連開発計画(UNDP) 東京事務所
広報官 西郡
TEL:03-5467-4751 FAX: 03-5467-4753
http://www.undp.or.jp/

国連開発計画(UNDP) アジア太平洋地域センター
UNDP Regional Centre in Colombo

宇治和幸 kazuyuki.uji@undp.org
G. Pramod Kumar pramod.kumar@undp.org
Bhagya Ratnayake bhagya.ratnayake@und.org
Tel: +94 (11)4526400 Fax: +94(11)4526410
http://www.undprcc.lk


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