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2009年12月01日

世界エイズデーに寄せて−ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁 

毎年12月1日は、国際社会がエイズについて考える世界エイズデーです。今年のエイズデーでは、私たちは効果的なHIV/AIDSの予防、ケア、治療および支援の必要性に重点をおいております。

国連共同エイズ計画(UNAIDS)が先日発表した『世界エイズウイルス(HIV)感染に関する年次報告書2009』では、世界中で新たにHIVに感染した人々の数は、「HIV/エイズに関する誓約宣言」の署名された2001年時点より17%減少したと報告されています。

過去5年間に、救命治療へのアクセス改善においても目覚ましい成果をあげています。現在、途上国で暮らす400万人以上の人々が必要な投薬治療を受けることができ、約290万人の命が救われました。

HIV/AIDSへの対策で最も成功したことは、人権尊重にのっとったプログラムを通じて、公衆衛生の成功事例と科学の進化が人々と地域共同体に具体的な成果をもたらしたことです。このプログラムにより、ぜい弱な人々や社会から隔絶された人々がHIV/AIDSのまん延対策に効果的に参画することが容易になり、さらに感染を予防するための技術や主要な治療薬の価格を下げるための世界的なキャンペーンが行われてきました。

しかし、残念なことに、先述の成果は地域、国や集団によって平等に行きわたっているわけではありません。感染予防計画が、それを最も必要としている人々に未だ届いていない場合があまりにも多いのです。現在でも2人が治療を受けている間に、5人が新たに感染しています。多くの場所で、女の子や女性のエンパワーメントするためになされていることは、ほとんどありません。さらに同性愛者へ烙印を押すこと、麻薬常習者に被害軽減のためのサービスを行うことを拒んでいることが、予防と治療を遅らせているのです。

そのような状況下にあるにもかかわらず、2009年の経済危機は、これまで人々の命を救い、子どもたちを孤児になる危険性から救い、労働力に生産性と活気を与えてきた治療計画の予算削減をもたらしています。

UNDPはUNAIDSの共同スポンサーとして、そして世界エイズ・結核・マラリア対策基金の主要パートナーとして、世界規模でのHIV/AIDSへの対応において中心的な役割を果たしています。UNDPは、政策、プログラム、そしてHIV/AIDSに対する取り組みを、健康、開発および人権などの優先事項と結び付けるための教育を支援しています。ジェンダー平等の促進、貧困に対する戦い、そして妊産婦死亡率と伝染病への対応も優先事項に含んでいます。

また、UNDPは国連システムにおける病気のまん延に対する組織的な対応を支援し、UNAIDSに代わり、毎年「レッドリボン賞」を開催し、HIV/AIDSのまん延に前線で立ち向かっているコミュニティを表彰し、支援しています。

2015年のミレニアム開発目標の達成まで、あと6年しか残されていません。私たちは、HIV/AIDSへの効果的な対策は、人権に基づいた、より広義の開発課題にとって不可欠であることを学びました。UNDPはこうした取り組みを進めるために、国とコミュニティの支援に尽力していきます。


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