2010年01月15日
国連開発計画がハイチの復興支援のために3,560万米ドルの資金を要請
[2010年1月15日、ニューヨーク]国連開発計画(UNDP)は、ハイチで1月12日に発生した地震被害の早期復興を支援するための資金として、3,560万米ドルの支援を要請した。緊急支援には、瓦礫の撤去、迅速に必要な支援を行うための道路や電力設備の補修などの基幹社会インフラの復旧が含まれている。またUNDPは、現地経済を活性化するために、雇用創出・現金報酬プログラムを実施する予定である。
今回のUNDPからの要請は、国連による 5億7,500万米ドルの緊急支援要請の一部であり、UNDPが被災者に対して、一刻を争う早期復興支援を行うことに充てられる。
「国連は、緊急人道支援への要請に応えながら、長期的な開発目標への取り組みにも寄与する早期復興支援を行うために、各国政府と緊密に協力しています。ハイチがこの甚大な被害から復興するためには多大な支援を必要とするでしょう」とヘレン・クラークUNDP総裁は述べた。
甚大な被害を受けた首都ポルトープランスに住む多くの人々は、食糧、水、住居および電力へのアクセスが断たれている。現地で活動している国連緊急支援チームは、ポルトープランスにある建物の1割が倒壊し、30万人が住居を失い、多くの人々が被災した建物から避難していると推測している。負傷者および被害の全容は、まだ明らかになっていないものの、相当な規模となる見込みである。
潘基文(パン・ギムン)事務総長は本日、「私たちは現在、捜索・救助活動を行っており、できるだけ多くの人命を救うために尽力しています」と声明を発表したが、同時に、空港の受け入れ能力が限られており、道路は封鎖され、ハイチ国内の輸送手段および燃料が不足していることから、物流事情が極めて難しいことを明らかにした。
UNDPは、国連の早期復興チームの調整役として、ハイチ政府および他のパートナーたちと協力しながら、被害状況と支援の必要性を評価し、同国の再建計画を立案する。特に労働集約的な作業を優先支援事項とし、瓦礫の撤去や基幹インフラの復旧などの労働に対し、現金報酬を支払う。こうした支援は、被災したコミュニティにおける社会的な緊張の緩和に寄与するとともに、現地政府と協調して行う適切かつ時宜にかなった復旧・再建活動の基盤作りにも貢献するものである。今回の雇用創出・現金報酬プログラムでは、22万の短期雇用を創出し、およそ105万人を支援することを目標としている。
UNDPは2008年にハイチを数回襲った破壊的なハリケーンの際に所得創出活動を実施しており、災害後にはNGOの能力開発とパートナーシップ構築を進めているため、こうした知見も今回の災害にも積極的に活用していく予定である。一例として、UNDPは2008年、国際労働機関(ILO)および国際移住期間(IOM)とともに他の機関やハイチ政府と協働し、短期雇用への現金報酬支給制度を考案した。この制度は既存の賃金水準および備蓄食料を考慮しており、今回の地震からの復興プロセスにも採用される予定である。
現時点で、72名のUNDPスタッフを含む300人を超える国連スタッフが行方不明となっている。そして国連ハイチ安定化派遣団(MINUSTAH)の軍および文民スタッフ37名、およびWFP食糧計画のスタッフ1名の死亡が確認されている。
本件に関するお問い合わせ先:
国連開発計画(UNDP) NY本部
Carolina Azevedo,
Tel: +1 212 906 6127;
carolina.azevedo@undp.org
国連開発計画(UNDP)東京事務所
広報・市民社会担当官 西郡俊哉
Tel: 03-5467-4751
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