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2010年05月06日

日本政府の支援によってクルド人自治区ハラブジャに妊産婦のための病院が新設

バグダッドから240km、イラン国境から15kmのところに位置するイラク北東部クルド人自治区のハラブジャは、1988年3月16日に化学兵器による攻撃を受けました。その結果、5,000人が死亡し、7,000人が長期的な後遺症に見舞われています。癌の発症や妊産婦の病気、水や空気の汚染のなど、人々はいまだ爆撃の爪跡に苦しんでいます。特に保健分野では、妊産婦と子どもの医療サービスの不足が深刻で、治療の必要な人々は遠く離れた都市へ治療を受けに行く以外には選択肢がない状況が続いていました。

2007年、日本政府はUNDPを通じて妊産婦と子どものための病院の建設を決定しました。UNDPは調査の結果に基づいて、50の病床と8家族分の病院スタッフ住居、メディカルスタッフに対する研修施設と医療設備を備える妊産婦と小児のための病院をハラブジャに建設することとし、2010年9月に運営を開始すべく直ちに計画に着手しました。
ほぼ完成しつつあるこの新病院の病院長Alen Abdulrahman氏は、「この病院の建設によって、今まで小児科や妊産婦向けの病院のなかった人口35万人余りのシャラザール地域の住民は、今後15年間にわたり妊産婦・小児保健医療に対するニーズが満たされるでしょう」と述べています。

現在、ハラブジャではクルド地方政府によってさらに2つの病院の建設が進んでおり、かつて化学兵器の被害に荒れていた同地はシャラザール地方の人々に医療を提供する場所として新しくよみがえろうとしています。

詳しくはUNDPイラク事務所作成のRestoring Halabja from Ashes(英語)をご覧ください。


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