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ニュースルーム −プレスリリース−

2010年09月15日

MDGs写真コンテスト『世界を写そう:私たちは貧困を終わらせる(Picture This- We Can End Poverty)』の受賞者が決まる

UNDPは反貧困のヒーローを称える
インド、パキスタン、ベトナム出身の写真家が最優秀作品賞を受賞

[ニューヨーク、2010年9月14日] 

反貧困をテーマとした世界写真コンテストの結果が発表され、パキスタンの女子学生と男子学生が一緒に技術科の授業で回路基板に取り組んでいる写真が最優秀3作品の一つに選ばれた。UNDP親善大使で、世界的に名声が高い俳優のアントニオ・バンデラスと4名の審査員によって選ばれたほかの2作品は、インドで通学中の少年の姿と、ベトナムで水揚げしたばかりの水産物を運ぶ漁師の姿を撮影したものである。

ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁は「世界中の人々が極度の貧困を撲滅するために行動していることを示すことにより、私たちはミレニアム開発目標(MDGs)が抽象的な目標ではなく、人々の生活に実際に変化を与えていることを見ることができます。こうした実際の積極的な取り組みを紹介することによって、もっと多くの人々がMDGs達成に貢献しようと動機づけられることを期待しています」と述べた。

今年で第2回目となる「世界を写そう:私たちは貧困を終わらせる(Picture This: We Can End Poverty)」写真コンテストは、2010年上半期に国連開発計画(UNDP)が、オリンパス株式会社とAFP財団とともに開催したもので、途上国および先進国の双方で、自分たちのコミュニティのミレニアム開発目標(MDGs)達成に貢献している普通の人々の姿を紹介することを目的としている。

MDGsは国際社会で合意された8つの目標:1)極度の貧困と飢餓の撲滅 2) 普遍的な初等教育の達成 3) ジェンダー平等の推進と女性の地位向上4 ) 乳幼児死亡率の削減5)妊婦の健康状態の改善 6) HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病のまん延防止7 ) 環境の持続可能性を確保 8 ) 開発のためのグローバルパートナーシップの構築 の2015年までの達成を目指している。写真コンテストは、9月20−22日にニューヨークで開催されるMDGsの進ちょく状況を確認する首脳会合を前に、政府や一般の人々に、世界の貧困削減のための努力を倍増するように動機づけることも狙いとしている。

アントニオ・バンデラス氏は「困難な環境の中で勉強に励む子どもや大人の姿や、女性の権利を主唱する地域の団体の数々、あるいは人々の健康改善のための強力なキャンペーン活動など、普通の人々が日々の生活において、MDGsの目標達成のために前向きに取り組んでいる姿にはとても元気づけられます。こうした普通の人々の活動がうねりとなって、来週ニューヨークで開催されるMDGsサミットに出席する各国首脳らにも影響を与え、意味ある結果を生むことを望んでいます」と話した。
今回の写真コンテストには、プロ・アマチュア両部門あわせて約1,400名の参加者が3,000点以上の写真を応募し、各分野の上位3点が表彰された。さらに、一般の人々によるオンライン投票で選ばれた「人々の選択賞」も表彰された。

プロ部門の最優秀賞は、インドの写真ジャーナリストPrakash Hatvalne氏、アマチュア部門はベトナムのビデオ撮影家のVinh Nghia氏、一般市民の投票による最優秀賞は、パキスタンのAgha Rizwan Ali氏が選ばれた。3人の受賞者はニューヨークの国連本部に招待され、明日9月15日にヘレン・クラークUNDP総裁より、オリンパスからデジタルカメラとカメラ装備やUNDPからの表彰状が手渡される予定である。プロ、アマチュア両部門の2位および3位の受賞者は、カナダ、ハンガリー、オランダ、スロベニア出身者で、それぞれオリンパスよりデジタルカメラが贈られる。すべての入賞作品は、スポンサー3社のウエブサイトで紹介されると同時に、日本、アメリカを含む世界各国で開催される写真展でも展示される予定である。今回の写真コンテストには上記受賞者の出身国以外に、アフガニスタン、ブラジル、中国、エジプト、ギリシャ、イラク、日本、ケニア、ミャンマー、ニジェール、ノルウェー、ペルー、フィリピン、ルーマニア、スーダン、米国、ウルグアイ、ウ
ズベキスタンなど、多くの途上国と先進国から応募があった。

菊川剛・オリンパス社長は「世界の貧困を2015年までに半減を目指すミレニアム(MDGs)開発目標の試みは、非常に挑戦的な取り組みであり、国際社会が約束したものです。グローバルに事業を展開する我々は、経済活動を行うなかで、地球とそこに暮らす人々の生活や自然を守らなければなりません。グローバル化する世界が目指すべき姿を具現化したものがMDGsです。世界各地での前向きで、真剣な取り組みをフォトコンテストでお伝えする機会を提供できたことは、国連グローバル・コンパクト参画企業として光栄です。今後も、MDGs達成に向けての取り組みを積極的に応援します」と話している。

バンデラス氏とともに審査員を務めたのは、ナショナル・ジオグラフィックの写真家で記者のアレクサンドラ・アバキアン氏, オリンパス ビジョナリー・フォトグラファーのジョン・アイザック氏、国連写真部門チーフのマーク・ガーテン氏、AFPニューヨーク支局長のパオラ・マサーナ氏の4人のプロの写真家である。

AFP財団のRobert Holloway理事長は「AFP財団は、UNDPとオリンパスとともに昨年に引き続き2回目の写真コンテストを共催することができることを大変光栄に思います。多くの応募者が、世界中の人々がMDGs達成のために努力する大切さを示してくれました。AFP財団は、独立した責任あるメディアは、世界の人々が十分な情報に基づいて生活に関する意思決定を行えるよう手助けすることにより、貧困撲滅や人権促進を図れると信じており、そのために私たち自身もMDGs達成のために貢献していきます」と語った。
UNDPは、MDGs達成に向けた進捗を早めることも含む、MDGに基づく国家開発戦略や政策について、各国政府と協働している。UNDPはさらにMDGsへの関心を高め、各国レベルでのMDGs 達成の進ちょくを測るためにMDGsを提唱している。
写真コンテスト、受賞者に関するさらに詳しい情報はウエブサイト(英語)をご覧ください。


オリンパス株式会社:オリンパス株式会社は、カメラ事業だけでなく、創業当時から医療機器業界におけるパイオニア的存在でした。オリンパスは日本で顕微鏡事業から発展し、その後世界で初めて内視鏡を実用化しました。オリンパスの製品は、医療分野において比類なきテクノロジーの進歩をもたらしています。グローバル企業として同社は企業の社会的責任を、そして人々の生活と生計の質を向上させることの必要性を認識しています。

AFP財団:AFP財団は、主に途上国出身の若手の写真家と記者を育成するため、2007年にフランス通信社(AFP)によって設立されました。AFP財団は、『自由で独立した責任あるメディアは、人々が情報を得たうえで生活に関する意思決定を行えるよう支援するものであり、そうすることが開発を推進し、人権を守ることができる』という信念に基づいて活動を行っています。AFP財団は、行動規範に基づいたジャーナリストの専門性の向上および報道の自由を推進しています。AFP財団は、ジャーナリストの職場環境を改善する取り組みや、紛争地域や危険地域に勤務するジャーナリスト、特にフリーランス記者と写真家の保護を支援しています。さらに、報道メディアにおける女性の地位向上に向けた取り組みを支えています。

国連開発計画(UNDP):UNDPは、国連システムのグローバルな開発ネットワークとして、変革への啓蒙や啓発を行い、人々がよりよい生活を築けるよう、各国が知識や経験や資金にアクセスできるよう支援しています。われわれは、166カ国で活動を行い、各国の人々とともに、グローバルな課題や国内の課題に対し、それぞれの国に合った解決策が見出せるよう取り組んでいます。それぞれの国の能力強化にあたっては、UNDPのスタッフの知識や幅広い分野のパートナーシップが役立っています。

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本件に関するお問い合わせは
国連開発計画(UNDP)東京事務所 西郡
電話:03-5467-4751



MDGs カテゴリーごとの受賞者

アマチュア部門:
ゴール 1: Tran Vinh Nghia, ベトナム.アマチュア部門第1位
ゴール 2: Partha Pratim Saha, インド
ゴール 3: Joydeep Mukherjee, インド
ゴール 4: Oliver Belarga, フィリピン
ゴール 5: Maria Cierna, スロバキア共和国.アマチュア部門3位
ゴール 6: Joydeep Mukherjee, インド
ゴール 7: Rudolf Kozsak, ハンガリー. アマチュア部門2位
ゴール 8: SaikatMukherjee, インド

名誉賞:
ゴール 2: Jared Katz, 米国
ゴール 3: Quoc Nguyen, ベトナム

プロ部門:
ゴール 1: Victor Diaz Kintanar, フィリピン
ゴール 2: Prakash Hatvalne, インド. プロ部門1位
ゴール 3: Fatima Elkadi, ノルウエイ
ゴール 4: Piyal Adhikary, インド
ゴール 5: Allan Gichigi,ケニア
ゴール 6: Victor Diaz Kintanar,フィリピン
ゴール 7: Marielle van Uitert, オランダ.プロ部門2位
ゴール 8: Pablo la Rosa, ウルグアイ

名誉賞:
ゴール 1: Thanh Hai, ベトナム
ゴール 2: Larry Louie, カナダ. プロ部門3位
ゴール 4: Sai Kham Lynn, ミャンマー

People’s Choice賞:
Agha Rizwan Ali, パキスタン


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