2010年10月01日
国連開発計画がビジネスで貧困削減を支援する知識共有ツールを立ち上げる
【2010年10月1日、ニューヨーク】世界のリーダーが集った9月末の反貧困サミットでは、民間セクターによる貧困削減への更なる貢献が呼び掛けられた。これに続き、国連開発計画(UNDP)は企業の努力を支援するための知識共有プラットフォームを発足させた。
この新しいプラットフォームは、包括的ビジネスモデルに関する実証されたケーススタディ、出版物、関係者の連絡先等を網羅する。また、貧困層の人々を生産者、労働者、消費者としてバリューチェーン(価値連鎖)の中に取り込むモデルを示している。
このプラットフォームは、ビジネスリーダー、政治家、開発援助従事者、研究者を世界中の成功した起業家と繋ぎ、人間開発に貢献する主要事業の開始・再開・拡大を支援するものである。2015年までに貧困、飢餓、妊産婦や乳幼児の死亡、疾病、不十分な住居、ジェンダーの不平等、環境の悪化を削減するという8つの国際的に合意された目標であるミレニアム開発目標(MDGs)達成への寄与を目指している。
UNDP民間セクター部長ヘンリー・ジャックリンは「2015年まで残り5年となり、MDGs達成に向けた進捗のスピードをあげるためには、民間セクターの役割が極めて重要です。この優れたデータベースのケーススタディは、企業が貧困削減に貢献しながら採算の合う事業をできると明示しています」と述べた。
UNDPの包括的な市場育成(GIM)イニシアチブで開発されたこのプラットフォームは一般公開されており、2つの補完的データベースから成る。ナレッジ(知識)データベースは、深いビジネスケーススタディ120事例と、民間セクターと開発分野で活発な主要機関の出版物で構成される。データベースの一部として、GIMイニシアチブは途上国30か国以上での新しいケーススタディ70件を依頼しており、ここ数か月の間に紹介する予定である。
このデータベースは、地域、事業分野、テーマ(例えば、気候変動、紛争、金融参入など)、事業主体、MDGsなどの条件ごとで簡単に検索できる。また、事業を実施する上で直面した制約やそれを克服するために取られた解決法なども検索できる。
さらに関係データベースには、資金、技術の提供、啓蒙活動、関連政策導入への働きかけをグローバル、地域、地方レベルでする計260の支援者・支援機関で構成される。この中には、政府機関、学術機関、開発機関、マルチ・ステークホルダー・プラットフォーム、NPOも含まれる。これらは国名とサービス分野(政策、調査、啓蒙活動、資金、能力など)からも検索できる。
ケニアのジョモ・ケンヤッタ農業・技術事業大学部長で、東部アフリカの複数のGIMケーススタディを執筆したウィニフレッド・カルグ氏は「途上国の起業家や研究者の立場から言えば、課題がしばしば共通する全ての地域からの刺激的な事例に容易にアクセスできることは非常に助かります。成功事例を再現させ、南南協力と知識共有を更に促進させるものです」と述べる。
このデータベースの発表は、2010年9月のMDGsサミットの期間中行われたグローバルレポート「The MDGs: Everyone’s Business」の発表に続くものである。同レポートは、MDGsごとに、包括的ビジネスモデルの事例40件と、そのビジネス原則を用いながら多国籍大企業、地元企業や協同組合、中小企業、非営利団体、140以上の賛同している機関を紹介している。
知識共有ツールのデータベースは、こちらをご覧下さい。
グローバルレポート「The MDGs: Everyone’s Business」はこちらからダウンロードできます。
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本件に関するお問い合わせは
国連開発計画(UNDP)東京事務所 西郡
電話:03-5467-4751
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