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2011年04月29日

ヘレン・クラークUNDP総裁が気候変動と開発課題への対策におけるインドネシアのグローバルな役割を強調

【ジャカルタ、2011年4月29日】
ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁は本日、3日間にわたるインドネシア訪問を終えるにあたり、同国が開発課題および気候変動対策において重要かつグローバルな役割を担っていることを強調した。

クラーク総裁はインドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領や政府高官と面会し、UNDPとインドネシアの継続的なパートナーシップおよび森林減少・劣化に対する同国の先駆的な取り組みにつて議論した。

クラーク総裁は、REDD+(Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation+: 森林減少と森林劣化による温室効果ガス排出の削減)プロジェクトのパイロット地区として選ばれたインドネシアの中部カリマンタン州を視察し、「UNDPは、地域住民がどのように便益を受けられるかを重視しています」と地方自治体職員や地域住民に対し語った。

REDD+は、森林に蓄積された二酸化炭素に価格を付けるグローバルな取り組みで、森林資源をよりよく管理することで排出量を減らす国々に対して資金かつ環境的な動機付けを与えている。REDD+は単なる森林伐採にとどまらず、森林の保全と持続可能な管理の役割を果たすものである。

クラーク総裁は、インドネシアでのREDD+の今後について「REDD+の制度設計で大切なことは、地域住民と森のためにWin-Win関係を築くことです」と述べた。

ノルウェーは、インドネシアのREDD+計画に10億米ドルの資金提供をしている。インドネシアは温室効果ガスの排出量が世界でも上位を占めていることから、2020年までに排出量を26%削減する計画である。

クラーク総裁はまた、インドネシアの開発経験、特にミレニアム開発目標の進展に関して、関係当局がそれぞれの経験を国際社会と共有する重要性についても意見交換をした。さらに、災害からの復興および民主制への移行におけるインドネシアの取り組みの重要性を強調した。

ジャカルタ滞在中、クラーク総裁とユドヨノ大統領は2011年グローバル企業環境サミットで基調講演を行った。B4Eとして知られるこのサミットは、企業目標とクリーン・エコノミーと低炭素社会を促進することを目指す環境目標を一致させようとするビジネス・リーダーシップに向けて、新しいアプローチの探ることを目的に開催された。

ユドヨノ大統領は、インドネシアが地球規模の気候変動に対し主要な役割を担うビジョンを示し、ビジネス界に政府とともに行動するように促した。

「グリーン・エコノミーの達成には、ビジョンの共有、創造力、行動力、そして社会の多岐にわたる分野からの支援、特にビジネス界からの支援が必要です。グリーン・エコノミーの要である持続可能な消費と生産が不可欠なのです」とユドヨノ大統領は話した。

クラーク総裁はスピーチの中で「生態系を破壊し、気候変動を招くような『普段のビジネス』は、経済の不安定性を増大させ、ビジネスを続けるためのコストを上昇させ、収益性を低下させるでしょう。現在であろうと未来であろうと、包括的かつ低炭素成長への投資こそがビジネスとしても妥当であるという考えにまったく疑いの余地はありません。今後グローバル市場ではますます、二酸化炭素の排出量が高く、負の社会的コストをもたらす製品やサービスは競争力を失い、望ましくないものになっていくでしょう」と語った。

今回のクラーク総裁の訪問ではさらに、100人のインドネシア人学生との「若者との対話」への参加も組まれており、持続可能な環境の促進や維持における若者の重要な役割について議論した。「もしあなたたちがこの国を変えられるなら、世界をも変えることができるでしょう」と述べ、学生たちが自ら目標を定め、それに向かって行動するよう促した。

このほかクラーク総裁は、マーティ・ナタレガワ・外務大臣、アルミダ・アィジャハバナ・国家開発企画庁長官、大統領管轄下の REDD+対策本部事務局のヘル・プラセチョ氏、A・テラス・ナラング中部カリマンタン州知事、国連機関および他の主要な開発パートナー機関の代表らとの会談も行った。

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本件に関するお問い合わせ先
国連開発計画(UNDP)東京事務所・広報ユニット(電話:03-5467-4751)


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