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ニュースルーム −プレスリリース−

2012年05月09日

小島嶼開発途上国20か国が化石燃料への依存を減らし、貧困削減をする新たな行動計画を発表

【2012年5月9日、ブリッジタウン、バルバドス】
小島嶼開発途上国におけるエネルギー自立と持続可能な開発に関する会合は昨日、近代的で安価な再生可能エネルギー・サービスへのユニバーサル・アクセスを確保する一方、環境保護、貧困削減、経済成長への新たな機会創出を求めるという「バルバドス宣言」の採択をもって閉会しました。

国連持続可能な開発会議(リオ+20)開催の数週間前に採択されたこの宣言の付随書には、小島嶼開発途上国(SIDS)20か国がエネルギーへのユニバーサル・アクセスの確保や再生可能エネルギーへの転換、化石燃料への依存を減らすために行動するという自発的なコミットメント〈約束〉が記載されています。

今回の会合を主催したバルバドスは、2029年までに国内の全電力消費のうち再生可能エネルギーの占める割合を29%にまで上げる計画を発表しました。

バルバドスのフローンデル・スチュワート首相は「2029年までに、電力費用を総額2億8350万米ドル削減し、二酸化炭素排出量は450万トン削減できると予測しています。また、エネルギーの効率性を上げるプロジェクトを展開し、電力消費量を全体で22%削減できると予測しています」と話しました。

小島嶼開発途上国のコミットメントには以下のものが含まれます。

・モルディブ共和国は、2020年までにエネルギー部門におけるカーボン・ニュートラル(生産など特定の活動の際に排出、吸収される二酸化炭素量を同量にする)を達成する。

・マーシャル諸島共和国は、2015年までに都市の家庭すべてと、外環状珊瑚島の家庭の95%を電化することを目指す。

・モーリシャス共和国は、2025年までに再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、サトウキビの搾りかすや埋め立てゴミ処理地から発生するガスなど)のシェアを35%以上にする。

・セーシェル共和国は、2030年までにエネルギー供給の15%は再生可能エネルギーで賄う。

バルバドス宣言は国連事務総長の「すべての人のための持続可能エネルギー・イニシアティブ」の重要性を踏まえたうえで、「今日のエネルギーは単独では解決できず、開かれた対話や協力によって可能になる」としました。

宣言は「小島嶼開発途上国の多くは、交通や電力のエネルギー源を輸入石油や化石燃料に大きく依存しており、これが小島嶼開発途上国の大きな経済不安要因になっていることに強い懸念が残る。このため、小島嶼開発途上国は不安定な油価格に晒されている」と言明しました。

バルバドス宣言では、多くの小島嶼国において、商業的に成り立つ選択肢として、風力、太陽光、地熱、海洋エネルギーなどを利用できると強調しています。しかし「これらの技術は利用しやすく、安価で、小島嶼開発途上国が置かれている特殊なニーズと環境に適応できるものでなければならない。この点において、国際社会、特に先進国に小島嶼開発途上国のために資金、技術移転、能力開発の協力をするよう強く求める」としました。

2日間の会合には、カリブ海、太平洋、インド洋、アフリカの小島嶼開発途上国に属する39か国から国家元首、閣僚、国際的専門家、市民社会の活動家、企業の重役、国連職員など100人以上が集いました。

バルバドス国連常駐調整官兼UNDPバルバドス常駐代表のMichelle Gyles-McDonnough氏は「私たちのグローバルなプレゼンス、能力開発における専門性、開発経済分野での広範な経験を駆使して、小島嶼開発途上国が海外から投資を引き寄せる能力を高め、すべての人の為の持続可能なエネルギーへの転換を図れるように支援していきます」と話しました。

バルバドス宣言は「リオ+20の成果は壮大で、かつ小島嶼開発途上国に関するすべての誓約の実現を含む『持続可能な開発アジェンダ』を完全に受け止める緊急性を伝えなければならない」と繰り返しています。

バルバドス宣言はこちらからご覧いただけます。


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