2012年09月26日
10年の進捗に基づく、MDGs達成のための連携が鍵に
【2012年9月26日、ニューヨーク】
世界のリーダー達は本日、ミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けて継続的して共同で取り組むように呼びかけ、より公正で持続可能な世界をつくるために、貧困を削減し、社会的に最も弱い立場にある人々をエンパワーメントする国際的な努力を増す必要性を強調しました。
第67回国連総会の会期中に開催された国連開発計画(UNDP)のサイドイベントにおいて、UNDPのヘレン・クラーク総裁は、MDGsは世界中の国と人々を団結させる共通のアジェンダを生み出すことに成功してきたと述べました。
中央アフリカ共和国、インドネシア、ケニア、ニジェール等のリーダーが参加したハイレベル・パネル「MDGsの期限内の達成:未来に向けた加速」の開会あいさつで、クラーク総裁は「達成期限があり、明確で測定可能なターゲットは、持続可能な人間開発の最も基礎的な指標の改善に重点を置いています」と述べました。
MDGsは2000年に189の国連加盟国に採択されて以降、大きな進捗がありました。最新の『MDG Progress Report(MDG進捗報告書)』は、次のような進捗――世界の貧困は減少し続けている、安全な水へのアクセスは拡大している、少なくとも1億人のスラム居住者の生活が向上している、女子と男子の初等教育の機会均等がほぼ達成されると共に、4000万人の子どもたちが通学している、過去10年間で世界のマラリアによる死亡者数は約3分の1減少している――を明らかにしました。さらに、1 日 1.25 米ドル未満で暮らす人の数を半減するという世界的な目標は2010年に達成されました。
2015年の達成期限前にいくつかの重要なグローバルな目標が達成されたにもかかわらず、開発援助の衰退がその勢いを減速させる恐れがあります。先週発表された報告書『 2012 MDG Gap Task Force Report (MDGギャップ・タスクフォース2012)』によると、政府が2000年に行った誓約を放棄せず、国際的支援が十分に行われれば2015年までに残された目標を達成することは可能です。
クラーク総裁は「しかし進捗を維持し、取り残された目標を達成するためには、さらなる努力が求められます」と述べ、業務負担が過度で体制が不十分な機関、放置されたままの農業セクター、公衆衛生とエネルギーサービスの貧弱さあるいは欠如、慢性的な栄養失調、女性や女児やその他のグループに対する差別がMDGsの進捗にとって引き続き大きな障壁になっていると付け加えました。
MDG加速フレームワーク(MAF) は、現在40か国において進捗が遅れているMDGsの課題克服のために協働を進める、MDGs達成に向けた一つの有効的な手段です。MAFは2010年にUNDPが考案したもので、各国の優先すべきMDGsに基づき、それぞれの現状に即して進捗を加速させる行動計画を採択する手段です。それはまた、社会的に弱い人々のニーズを強調することで、政府が不均等な進捗の主要因である不平等対策に焦点を当てるように働きかけています。
クラーク総裁は「これまでの経験から、成功のためには国家のオーナーシップとリーダーシップが重要であると学びました。パートナーシップは有効で、活動と対象を絞った投資は急速な発展をもたらせることがわかっています。効果的な政策が劇的な変化を引き起こすことも理解しています。相互依存や不安定さを増す世界において、開発はそれが持続可能な場合にのみ成功し、継続していることを知っています」と述べました。
<戻る>