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アフリカ気候変動適応支援プログラム(AAP)について(データと情報)




気候変動に由来するものであろうと、なかろうと、あらゆる脅威に対する強靭性の強化は、リスクを特定し理解することから始まります。問題を説明するデータへのアクセス、およびそのデータを分析して計画作成に応用する能力は、気候変動への強靭性がある持続可能な開発の基礎となります。

アフリカの20か国が、アフリカ気候変動適応支援プログラム(AAP)とともに、自国の開発戦略の強靭性を構築するため、近代的なツール、手法、データなどの意思決定支援システムを使用して、データにアクセスしてこれを分析、応用するために必要なインフラと能力強化に取組んでいます。


インフラ
ハードウエア
AAPは、大量のデータセットの保存と管理、気候モデルの作成と分析、およびAAP参加国間での気候データの共有を可能にする市販の安価なスーパーコンピューター「高性能コンピューティング(HPC)」サーバーの調達、設置、維持を支援しています。

ソフトウエア
AAPは、大気研究大学連合(University Corporation for Atmospheric Research)により開発されたオープンソースのデータ・コンテンツ管理システムであるRAMADDA サーバーの使用を推進しています。このサーバーは、安価なコンピューターシステム上で作動し、異なる機種環境の、地理空間を越え、分野横断的なデータ形式へのアクセス機会を提供します。これには、生データや処理済データ、リアルタイムの気候条件や予測、地域および地球全体の気候モデル、地理情報システムからの出力が含まれます。

その検索データベースは、政治家ら意思決定者に、多様な地域の、また多様なアプリケーションの情報を提供できます。RAMADDA とあわせて統合データビューアー(IDV)を使用することによって、気候プロセスと予測の理解を助ける効果的な画像を作成することができるとともに、関係者のための通信手段としての利用も可能です。

AAPはまた、部門別および多部門的な意思決定支援ツール、早期警報システムの使用も支援しています。

多層型高性能コンピューティング

AAPは、それぞれの国が現時点での自国の能力に合ったレベルで参加でき、可能な場合にはいつでもそのレベルを上げることのできる多層型HPCインフラの使用を推進しています。

・階層0:この階層は相当量のデータをホストするのに十分な大きさの中央ノードで構成されています。国際理論物理学センター(ICTP)は、このシステムの維持、収容とともに能力強化を支援するための十分な技術スタッフとインフラを持っています。

・階層1:この階層は5つのアフリカ地域センターで構成され、階層0と同じデータ作成・蓄積能力を有します。階層1は、必要なインターネットや電力(速度と安定性)の環境がすでに確立されている国で使用されます。

・階層2:この階層は中央ウェブポータルを通じて遠隔でシステムにアクセスすることができる全てのAAP参加国で構成されます。階層2は、地域チームにより配布される軽量型(オープンソース)のデスクトップ・ソフトウエアを介した高度な使用法を提供します。

データの分析と応用
AAPは、以下のような方法で、HPC気候サーバーの設置と管理、データ分析のための科学的ソフトウエアの運用、および調査結果の計画作成への応用に関する能力を構築するための訓練と支援を、国別チームのメンバーに提供しています。
・HPC気候データサーバーとeインフラについての地域ワークショップ
・各国のニーズに合った部門別の訓練ツールキット
・AAPのプログラム全体の地域ヘルプデスクを通じた技術援助

利点
AAPに参加する実利の一つは以下に挙げるような能力を強化できることです。
・正確で最新の気候データを作成する、および/またはこれにアクセスする。
・データを分析し、国の気候影響シナリオを作成する。
・結果として得られた知識を、国の開発計画に統合される最適な気候適応戦略の策定に応用する。

費用
AAP参加国にAAPの国内用eインフラを提供するための費用(データアクセス、HPC、ツール、メソッド)は、3か月間でおよそ5万米ドルです。これには、HPC気候データサーバーの調達、設置支援、および気候データサーバーの管理と気候データの分析に関連する訓練が含まれます。