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『躍動のアフリカと手を携えて』 〜 第5回アフリカ開発会議(TICAD V)に向けて

2013 年4月19日

2008年のTICAD IVの本会議の様子

2008年のTICAD IVの本会議の様子


日本政府からの支援を受け、南スーダンで初めての国家犯罪統計を立ち上げ (C)UNDP South Sudan

日本政府からの支援を受け、南スーダンで初めての国家犯罪統計を立ち上げ (C)UNDP South Sudan


TICAD Vのロゴ。赤は団結、黄は肥沃な大地、緑は農業、森林などを表しています

TICAD Vのロゴ。赤は団結、黄は肥沃な大地、緑は農業、森林などを表しています


第5回アフリカ開発会議(TICAD V)の開催が近づいてきました。1993年の開催以来、5年に1度ずつ首脳級会合が開かれてきて今年で20周年になるTICADですが、今回は6月1日から3日にかけて、前回と同じ横浜市で開催されます。

昨年11月にブルキナファソで行われた高級実務者会合に続き、今年3月にはエチオピアで閣僚級準備会合が行われ、本番に向けた大詰めの調整が行われてきました。その中で、今回のTICADのテーマが「躍動のアフリカと手を携えて(Hand in Hand with a More Dynamic Africa) 」に決定し、また、6月の首脳級会合では「強固で持続可能な経済(Robust and Sustainable Economy)」、「包摂的で強靭な社会(Inclusive and Resilient Society)」、そして「平和と安定(Peace and Stability)」の3つの分野に焦点を当てることになりました。

TICAD Vには、アフリカ各国からの首脳ならびに地域機関、国際機関等の代表が参加し、「横浜宣言2013」ならびに「横浜行動計画2013」が採択される見通しです。

TICADでは、本会議と同時並行で、様々なイベントが一般も対象に開かれます。例えば、パシフィコ横浜で開かれるTICAD V公式サイドイベントでは、3日間で40を越えるシンポジウムが開催される予定です。また、日本政府、政府関連団体、国際機関、非政府組織(NGOs)、民間企業等が、各々のアフリカでの活動を紹介するブース出展を計画しています。

その他にも、経済産業省と日本貿易振興機構(JETRO)主催で、アフリカ各国産品ならびに日本企業のアフリカにおけるビジネスをテーマとした展示会「アフリカン・フェア2013」が、同じくパシフィコ横浜で開催され、展示会場では多くのイベントやアフリカ料理のフードコートも開かれます。この「アフリカン・フェア2013」には、UNDPと連携してアフリカでのインクルーシブビジネス*の開発を推進している日本の民間企業も出展を予定しています。

さらに、アフリカにおける感染症をはじめとした優れた医学研究を表彰する「野口英世アフリカ賞」の授賞式も開かれます。このように、TICADの本会議において今後のアフリカとのパートナーシップについて議論される中で、このパートナーシップを官民様々な方面から盛り上げていこうとするイベントが目白押しとなっています。UNDPも、シンポジウムの開催やブース出展などを準備しております。

TICAD発足当時からの共催者であるUNDPは、これまで、TICADで合意された行動計画に基づき、その実施フォローアップも、日本政府やその他のパートナーと共に行ってきました。例えば、前回のTICAD IVで設立された「アフリカの気候変動対策に関するパートナーシップ構築のための日本とUNDPの共同枠組み」のもと、UNDPは日本政府の支援を受け、アフリカ20か国で「アフリカ気候変動適応支援プログラム(Africa Adaptation Programme: AAP)」を実施してきました(TICAD Vでも公式サイドイベントとして、UNDPはAAPに関するシンポジウムを開催する予定です)。

また、日本政府とのパートナーシップのもと、北アフリカ諸国では若者の就業支援プログラムを実施、さらに、南スーダンでは警察に対し犯罪統計の支援を行うことで、より効果的な警察活動、ひいては治安の安定に貢献してきました。これらはほんの一例で、TICADのフォローアップとしてUNDPは実に多くのプロジェクトを実施しています。UNDPは、今回のTICADにおいて採択される行動計画にもとづき、日本政府をはじめとするパートナーとより一層強固なパートナーシップのもと、アフリカの全ての人が享受できる成長と発展を今後もサポートしていきます。


*インクルーシブビジネス:開発途上国の貧困層を生産者・消費者・労働者として取り込み、現地で雇用や商品、サービスを生み出すことにより、貧困層の人々の選択肢の拡大とともに、企業の事業機会の拡大を図るビジネス