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UNV主催 TICAD V サイドイベントに多くの若者が参加〜アフリカの若者のボランティア活動参加の推進について討議〜2013年6月26日 サイドイベントの司会進行をするディクタスUNV事務局長(C)UNV 外務省地球規模課題総括課の飯田課長(C)UNV ウングボILO事務局次長(C)UNV 会場には200人以上の若者が集いました。壇上はAUCのハキム博士、客席中央前列に登壇を待つAU-YVCのテフェラ氏(左)、ウガンダ全国NGOフォーラムのカヒイグア氏(中央)、TICADV学生プロジェクトの辻共同代表(右)(C)UNV 今回のサイドイベントは、TICADプロセスの中で取り上げられたアフリカの若者の育成という課題を具体的な支援策につなげるために、その意義を様々な視点から検討し、アフリカ連合委員会(AUC)ユース・ボランティア部隊を日本で紹介する初めての機会となりました。これを機に、アフリカ大陸全土で、若者による平和と持続的開発に寄与するボランティア活動のプログラム化が地域・国家レベルで拡大、充実していくことが期待されています。 サイドイベントの冒頭、今年1月の就任以来2度目の来日となるリチャード・ディクタスUNV事務局長から、アフリカの持続可能で包摂的な開発実現における若者のボランティア活動への参加促進の重要性について、またそれを支援してきたUNVの取り組みについて紹介がありました。続いて、UNVの活動を政治的にも財政面からも支援している日本政府を代表して外務省地球規模課題総括課の飯田慎一課長が登壇し、東日本大震災後の被災地支援活動を例に、日本政府と日本市民にとってのボランティア活動の意義を語り、「日本政府が推進する『人間の安全保障』を開発現場で実現し、2015年以降の新しい開発枠組みの実施主体としてボランティアを認識し、支援していく」と力強く主張しました。 国際労働機関(ILO)のジルベール・ウングボ事務局次長は、失業率が高いアフリカの若者層に対して、国家の開発プロセスへの参加、専門分野での経験、社会の統合に必要な価値の共有のための機会を提供するボランティア活動を評価しました。一方で、若者のボランティア活動はプログラムの充当な管理、能力向上のためのトレーニングの提供、選考・運営の透明性、民間セクターの参加を推進しなければ、雇用と連動しない点を指摘しました。 AUCの人材・科学・技術部門のディレクターのアブドゥル・ハキム・エルウェール博士は、1963年2月にリビア北東で起きた大地震後の緊急支援に自国のボーイスカウトが活躍したことを引用して、ボランティアリズムとは、私利を超えた社会への献身であると述べました。そして、ハキム博士はAUユース・ボランティア部隊(AU-YVC)が、アフリカ大陸の地域間の協力と統合における若者の参加を支援する仕組みとして2008年に設立されたことを紹介しました。 TICAD V学生プロジェクトの辻愛麻共同代表は、若者の利点として、(1)将来をけん引する主体(2)雇用や教育等、現代の開発課題の主体(3)社会的な立場から自由であることを指摘しました。そして辻氏は、経験、専門技能、財政の不足等、若者がもつ課題と利点とのギャップを埋めるのにボランティア・プログラムが必要だと主張しました。ウガンダ全国NGOフォーラムのフェスタス・カヒイグア氏は、ボランティアリズムはアフリカの社会に内在する価値であり、近隣のコミュニティとの関係性を重視するアフリカ社会の中では重要な意味を持っていると述べ、今後、ガバナンス、民主化等の分野で若者のボランティアリズムが発揮されることが必要だと主張しました。最後にAU-YVCの一員で、エチオピア出身のシステム・エンジニアのベルファヌ・テフェラ氏は、AU-YVCへの参加動機として、アフリカの課題のより深い理解とその解決への貢献を挙げました。 UNVはTICADプロセスの中で、特にアフリカの若者のボランティア活動を通じた社会参加、市民意識の醸成、雇用可能性の向上の重要性について働きかけてきました。6月3日にTICAD V 本会合で採択された「横浜宣言」では、TICADの重要な戦略的手法を下支えする包括指針として、「雇用促進及び貧困削減に関するアフリカ連合の行動計画を支援し、若者の機会を拡大する」ことが明記され、「横浜行動計画」 の「インフラ整備、能力強化の促進」の項目の中のTICAD Vが支援するアフリカの取組としてAU-YVCが含まれました。UNVはこの政策を推進するために、日本政府がUNVに拠出している日本信託基金を利用して、AU-YVCの拡充、運営能力強化支援を計画しています。 |