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貧困と教育:

この地球上に暮らす人間が100人だとしたら、そのうち15人は読み書きができないことになります!

 低収入や無収入がもたらす最大の影響、それは教育の欠如です。貧しい人々は訓練を受けることができません。教育や技能取得、職業訓練の機会を奪われた人にとっては、働き口を見つけることも、自ら事業を興す才能を伸ばすことも難しくなります。貧困が足かせとなり、子どもも大人も学校に通うことができません。近代科学技術の発展はすべての人々に恩恵をもたらしているわけではなく、貧富の差はますます拡大しています。例えば、人里離れた地域に住む貧しい人々は、ただ学校があまりにも遠いという理由だけで、学校に通うのが困難なこともあります。

この地球上に暮らす人間が100人だとしたら、インターネットにアクセスできるのはわずか5人に過ぎないのです。


貧困と教育 ‐さらに詳しく説明すると-

 十分な教育を受けられないこと、またもっと深刻な場合、教育を受ける機会さえも与えられないことは、人の一生を限られたものにしてしまう最大の要因の1つです。その結果として、人は自分の可能性を十分に伸ばし発揮することができなくなります。このように可能性が奪われてしまうと、働き口を見つけること、十分な報酬のある雇用機会にアクセスすること、自ら事業を興す才能を培うことなどが制限されることから、教育を受けられないことが所得貧困の主な原因であるといえます。読み書きができない人は、自分の技能を磨くことが難しく、報酬の得られる仕事をどこでどのように見つけたらいいのかも分からないため、二重に不利な状況に置かれています。一方で貧困は子どもたちから就学の機会を奪います。生きるため、家計を助けるために多くの子どもは働かざるを得ないのです。さらに貧困は多くの人々が適切な教育を受ける機会をも阻みます。このように貧困の悪循環に陥ると、そこから抜け出すことは容易ではありません。

 失業や不完全雇用の一因として、仕事の内容に見合った適当な人材がいないことが挙げられます。農村部では、貧しい人々が十分に教育を受けたり情報を得たりすることが困難であるが故に、安定した農業生産が困難になっています。この状況は収入や収穫量の減少をもたらしかねません。さらに農産物を適切に商品化する際の最大の障害ともなっており、更なる減収を引き起こす恐れもあります。また、子どもたちが学校に通えたとしても、食糧が不十分で栄養不良の状態にあれば、授業に集中できず学校教育の十分な恩恵を受けることができません。

 地域が極端に貧しい場合や、中央・地方政府が十分な財源を持たない場合は、学校制度そのものが存在しないか、十分整備されていないため、教材や教育設備、文具などが不足してしまいます。また、新しい技術が導入されていないことも多く、教室は子どもたちですし詰め状態であり、教師の十分な訓練や満足な給与も確保されていません。こうした状況はすべて、地域住民の教育にとってマイナスとなります。財源不足から職業訓練の拡充にも支障をきたし、人々から様々な機会が奪われています。都市近郊、スラム地区、貧しい農村部に住む子どもたちにとっては、学校や職業訓練センターまでの距離が通学の障害となることもあります。

 地域によっては、良い学校とは貧しい人々には縁のない私立学校を指す場合もあります。貧困によって高等教育を受ける機会が阻まれることもあります。教育を受けられない、または受けていても不十分である場合、社会的に疎外されてしまう可能性があります。そのうえ、地球に住む何百万もの人々が、教育レベルが低く情報へのアクセスが不十分なために、病気の予防法や治療法、歯の手入れの仕方などを知りません。女性と子供に対する教育は、出生率引き下げに効果を発揮するだけでなく、家族の健康増進、世帯の収入増や資源の活用にも大きく貢献することでしょう。

 教育が不十分なために、大勢の人々が自らの権利や当然受けられるはずのさまざまな恩恵に気が付かずにいます。そのため、地方・中央政府を相手に交渉したり、金融機関から融資を受けたり、様々な不正と対峙することが非常に難しい立場に置かれています。また、十分な教育を受けていなければ、メディアからの情報や政治家の発言を分析することもできません。最新の情報技術へのアクセスも阻まれ、国内格差も国家間の格差もますます広がっていくばかりです。

 識字能力向上プログラム、初等教育の完全普及、ならびに職業訓練は、貧困根絶のための戦略の中心となるものです。しっかりした教育基盤を構築し、拡充・維持するためには官民両方の資源を動員する必要があります。教育基盤の整備には、学校や訓練センターの十分なネットワークや教育設備、文具、教材などが必要となるほか、教師の訓練、優れた国内教育制度を運営する能力を備えた国家機関、インフラを維持し教師に報酬を支払うための財源も必要になります。

 地域によっては、貧しい児童のための栄養補助プログラム、学校への無料送迎、教材の無償配布、奨学金制度、家庭に対するその他の経済的扶助が必要不可欠となるでしょう。格差や機会不平等の拡大を回避するために、途上国や先進国の貧困地域にある学校に近代的なIT機器を設置することも重要です。また、特に教育におけるジェンダー格差の是正には一層の努力が求められています。

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