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貧困と社会的、文化的排斥

この地球上に暮らす人間が100人だとしたら、そのうち最も裕福な20人で電話回線の74%を保有していることになります!

 収入が無いことや十分な収入が得られないことから、大勢の人々が地域の文化・社会・スポーツ活動に参加する機会を奪われています。貧困層や失業者は社会的排斥や疎外の一番の犠牲者です。豊かな国、貧しい国を問わず、社会的に疎外された人は自信を失います。中には悲惨な貧困の淵に深く沈み込み、ますます孤立していく人もいます。社会や家庭の後ろ盾のない子どもたちは頼るあてもなく、非行に走る恐れがあります。社会的排斥は人々から機会を奪い、社会的ネットワークや地域社会での生活における役割を奪うことになります。

地球の人口が100人だとしたら、そのうちの24人しかテレビを持っていないことになります。


貧困と社会的、文化的排斥‐さらに詳しく説明すると‐

 貧困はさまざまな社会的排斥の原因となります。最貧層、ホームレス、スラム街や貧民街の住民は公共施設の多くを利用できません。こうした人々よりも良い生活条件で暮らす人の中にも、文化活動に参加したり、スポーツを楽しんだり、知識を高めたり、社会生活の中心となるような主要な行事と関わりを持ち続けたりするだけの経済的余裕がない人が多くいます。都市部では、貧困や失業のためにしばしば放課後の子どもの面倒がおろそかになり、親から日常の世話を受けられない子どもが、時として反社会的な行動をとり、さらには非行に走ることもあります。

 先進国では失業は周囲の人々にも影響を及ぼします。友人の側が気まずさから、失業した人を集まりなどに誘わなくなる結果、失業した人は徐々に社会的に疎外されていきます。長期にわたる失業はまた、自信喪失、さらには自尊心の喪失を招くことがあります。中には失意のあまりひきこもってしまう人もいます。こうして精神的に辛い状態に陥ると、仕事を見つけて失業と貧困から抜け出すことはますます困難になります。

 十分な収入が得られないと、文化的行事やクラブ活動への参加等、人との交流を楽しむ余裕がなくなり、学習の機会や社会との接触が失われることがあります。また、知的能力を発揮する機会がなくなり、人生を楽しむことすらできなくなることもあります。貧しい人々にとっては、本や新聞・雑誌、スポーツ施設・用品、インターネットなどの新技術は手の届かない贅沢品です。交通費を捻出できないため、貧困者や失業者がよりよい報酬の得られる職を求めて、また、社会行事への参加のために移動することが一層困難になります。

 学歴の低さや、自分の知的レベルでは文化活動に参加できないという劣等感が、今ある機会を積極的に利用しようという気持ちを奪います。また、多くの国において低収入ゆえに保健医療を利用できない人々がおり、医療を利用できる人々との格差が拡大しています。また、豊かな国の貧困世帯は休日に外出したり、気分転換や健康のために子どもを連れて遠出することができません。

 社会的疎外を解消するための政策としては、社会活動、スポーツ・文化的イベントなどに無料または低料金で参加できるようにすることが何よりも求められています。その他、就学の奨励、公共交通機関の無料化、公共のスポーツ・文化設備、地方自治体が運営するサイバースペースなど、低所得者がインターネットに接続してさまざまなサービスを利用できる環境の整備も、同様に重要な対策であると言えます。

 個々の行動もまた、社会的障壁や孤立を打開するうえで大きな成果につながります。最終的には、人並みの賃金が得られる仕事、思いやりのある社会から生まれる強固な社会的つながりが、貧困に苦しむ人々に充実した生活を取り戻させるのです。


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