日本政府による対UNDP拠出額の動向
アフリカにおけるUNDPプロジェクトへの拠出額が急増
2006年4月28日
日本はUNDPにとって主要な戦略的パートナーとなっている。2005年のUNDP通常予算への日本からの拠出額は約8,240万ドルに達した。UNDPの中核業務の基盤を担う通常予算は、UNDPが世界のグローバルな課題に対処する際の、信頼の置けるパートナーとして活動するために必要な能力の形成・維持に充てられている。2005年のUNDP通常予算に対する拠出額では、日本はオランダ、米国、ノルウェー、スウェーデンに次ぐ第5位にランクされている(2000年および2001年の日本の対UNDP拠出額は第1位であった)。
UNDPの通常予算に対する貢献の他に、日本は信託基金やコスト・シェアリングによって、UNDPの特定のプロジェクトに対する援助を実施しており、その額はとりわけ2004年から2005年にかけて著しく増加した。なかでもスーダンをはじめとするアフリカ地域向けUNDPプロジェクトへの援助額は、コミットベースで、2004年の400万ドルから2005年の2,560万ドルへと顕著な伸びを示しているのに加え、2006年1月から3月にかけては、UNDPを通じ、2,340万ドルが日本からアフリカ向けに拠出された。
小泉総理は、2005年7月のG8グレンイーグルス・サミットにおいて「G8サミットに向けたアフリカへのメッセージ」を発表し、アフリカ向け政府開発援助(ODA)を今後3年間で倍増することを公約した。また、日本は、今後5年間でODA事業量を、2004年実績をベースとする額と比較して100億ドル積み増すことを目指している。
このような日本とのパートナーシップを維持すべく、UNDP幹部は頻繁に日本を訪れ、関係維持に努めている。2005年7月には、アブドゥル・ジャネUNDPアフリカ局長(当時)が、アフリカにおける更なる連携構築および、現地レベルでのUNDPプロジェクトに対する支援に関して協議するため来日した。また、ジャネ局長の後任であるジルベール・フォスン・オンボUNDPアフリカ局長は、小泉総理のアフリカ諸国歴訪にあわせて全国紙に投稿記事を発表し、「UNDPはアフリカのほとんどの国々に常駐事務所を置く国際機関として、アフリカ開発支援において信頼できるパートナーであることを自負しており、日本とUNDPがいっそう緊密に連携することで戦略的パートナーシップが強化され、ミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けて目覚しい進展が見られるであろう」と述べている。
2005年1月から2006年3月までの期間中における日本からUNDPのアフリカ支援プロジェクトへの拠出内訳は以下の通り。
合計 約4,900万ドル
元兵士の武装解除、動員解除、社会復帰(DDR)プログラムおよびコミュニティ開発プログラム |
・スーダン |
690万ドル |
・シエラ・レオネ |
570万ドル |
・リベリア |
200万ドル |
・コンゴ民主共和国 |
1,330万ドル |
・ブルンジ、コンゴ民主共和国、ルワンダ、ウガンダ |
600万ドル |
日本政府の拠出により設立された国連人間の安全保障基金を通じた支援 |
・タンザニア |
290万ドル |
・コンゴ共和国 |
100万ドル |
・スーダン |
220万ドル |
・アフリカン・ミレニアム・ビレッジ・イニシアティブ |
890万ドル |
日本からUNDPに対する通常予算拠出額および、通常予算以外の拠出額(地域/国別)は下表の通り。
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