国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所のウェブサイトは2013年9月に移転しました。

新ウェブサイトはこちらからご覧いただけます。


コソヴォ違法小型武器規制プロジェクト(ISAC)

プロジェクト実施中|ドナー募集 2002年9月現在
プロジェクト概略
プロジェクト名 コソヴォ違法小型武器規制プロジェクト
活動分野 警察セクターの改革と武装解除
テーマ 違法小型武器の削減・規制
目的 違法小型武器の必要性及び入手の可能性を削減することで、コソヴォにおける持続可能な平和構築と人間開発プロセスへを支援する
対象受益者 コソヴォ自治政府、全コソヴォ社会、UNMIK、警察、国連国際警察(KOFR)、市民社会団体
実施機関 UNDPが直接実施
プロジェクト
実施期間
2002年6月〜2003年12月
プロジェクト
総予算
1,979,000米ドル

背景

紛争直後における事態からは改善しているものの、無数の小型武器の保有、組織的犯罪、根強い民族・政治的摩擦、日常的な社会的犯罪、脆弱な法の支配などが原因となって、コソヴォでは依然として身体の安全が保障されてない。違法小型武器と暴力の蔓延は、コソヴォにおける将来に向けた社会経済開発や平和構築にとって重大な障害となっている。小型武器の数は少なくとも10万個、実際はその数倍存在すると見られている。

最新の施策

コソヴォにおける小型武器規制に関する活動は、主に法の執行と不法所持及び使用に対する力ずくの対応に焦点をあてている。こうした活動は、違法武器がもたらす身体への危険と不安感をとりまく経済、社会、開発環境の改善を目指すものとはなっていない。
コソヴォ警察は、コソヴォでの安全を提供し、違法小型武器の回収する上で必要となる、住民との間の信頼関係を築くための一層の支援を必要としている。
UNMIK、警察及びKFORによる警備と法的措置によって暴力犯罪は相当減少しているものの、これまでの場当たり的な小型武器の任意回収や違法所持に対する恩赦の実施では、一般家庭や若者が所有する武器のうちごく一部の武器回収しか実現することが出来なかった。UNMIKとKFORは効果的な非武装化を促進するための幅広いパートナーシップを求めているが、効果的で持続可能な武器規制を実現するような協力体制は未だ整っていない。

UNDP _ 違法小型武器への人間開発のアプローチ

UNDPは、違法小型武器の蔓延と、これによる安全保障の欠如を、以下の点で社会・経済開発に対する重大な障害と見ている。

軋轢を発生させ、それが長期化する
深刻な経済と社会の破綻を惹起する
犯罪行為と刑事免責の増加を促進

UNDPは社会に広く蔓延する小型武器によって引き起こされる諸問題に対応する上で多々の実績を持ち、パートナーシップの構築、キャパシティー・ビルディング、開発活動をとおした解決策を実施することで、不法に所持されている武器を減少させるため方法を熟知している。武器回収を行う上で、UDNPは特に次の点に配慮している。

開発目標の達成
生活手段の提供
良い統治の支援
地域社会における身体の安全の確保

紛争や暴力に虐げられてきた社会に暮らす人々は、身体の安全と安定した生計が保障されることによって、武器の放棄に応じることが、UNDPのこれまでの経験から分かっている.

プロジェクトの構成

1.違法小型武器対策のための戦略的政策・計画の策定支援
  「コソヴォ違法小型武器削減・規制戦略」の策定
2.合法的銃器保有に関する法的規制のための支援
  銃器登録事務所の設立―9,000丁の銃器登録が当面の目標
  合法的な銃器、弾薬の保有に関する法的枠組みの策定
3.地域に根付いた警察活動と市民社会強化による違法小型武器の削減
  「安全なコソヴォ:小型武器に関する啓蒙活動」
地域に根付いた警察プログラムをとおした学校、ユース(若者)・センター、その他の公共施設等における活動の拡大
4.違法武器の回収・破壊への支援
  武器放棄と交換に開発支援の提供を行うための試験的プロジェクト:1万個の違法武器の回収を目指す
  「違法小型武器破壊のための基金」
違法武器破壊に必要な資金の提供

プロジェクトの実施戦略

実施第一段階(2002年6月〜2003年12月)には、将来にわたる本分野での活動に必要な教訓や経験を得ることを目指す。こうした教訓には、長期的視点に立った小型武器の削減、市民社会による積極的な参加の必要性等が含まれることになる。

本プロジェクトは、小型武器削減に関わる直接的な介入を行うと同時に、政策、計画の改善、武器規制に関わる制度の策定、武器回収のための警察の能力強化を支援する。「コソヴォ違法小型武器削減・規制戦略」は違法武器に関わるすべての問題に対処するものとなる。また、今後数年間に急を要する介入を行うために必要な資金等の調達を行う上で有用となる。

市民社会の参加は極めて重要であり、その役割が充分果たせるよう強化していく。市民社会と警察の間の信頼関係を醸成するために、警察活動がより地域に根付いたものとなるよう支援していく。

武器の任意回収を試みることで、コソヴォ社会における最も効果的で適切な回収方法を特定し、「コソヴォ違法小型武器削減・規制戦略」に右方法を組み込んでいく。

パートナーシップ

本プロジェクト運営のため、既にUNMIK警察・司法担当局(ピラー1)との協力体制が築かれている。KFORやその他の利害関係者とも、本プロジェクトの運営委員会を通じて調整していく。

UNDPが有する幅広いパートナーシップ及び右パートナーシップがもたらす利点は次のとおり。
・多数機関間の調整能力
・情報、調査、分析
・開発側面からのアプローチによる違法小型武器に関わる根本的問題への取り組み
・政策・計画の策定、武器回収・破壊、参加型プロジェクトの実施、アドヴォカシー(提唱活動)及び広報等における専門性
・信頼できるNGOと市民社会のネットワークへのアクセスと協力
・UNDP本部及び地域サービス・センター(在スロバキア)による後方支援体制

予算

予算項目 米ドル
1. ソヴォ違法小型武器戦略策定支援
98,000
2. 警察内銃器登録事務所設立支援
76,000
3. 規制のための枠組みの見直しと技術支援
70,000
4. 安全なコソヴォ:地域に根付いた警察活動と、小型武器に関わる啓蒙活動
150,000
5. 安全なコソヴォ:市民社会強化基金
188,000
6. 武器放棄との交換による開発支援
1,000,000
7. 違法小型武器破壊基金
100,000
8. 人件費 (UNボランティア& ーカル・スタッフ)
202,000
9. 運営費、機材費
95,000
  総プロジェクト予算
1,979,000
   うち調達済み資金
450,000

<プログラム及びプロジェクト一覧へ戻る>