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コソヴォにおける雇用・民族和解プロジェクト(PERK)

プロジェクト案|ドナー募集中 2002年9月現在
プロジェクト概略
プロジェクト名 コソヴォにおける雇用・民族和解プロジェクト
活動分野 経済発展と少数民族帰還
テーマ 雇用、所得創出と地域社会における民族和解
目的 コソヴォにおける多民族からなる、経済的自立能力のある地域社会づくり
対象受益者 脆弱な住民からなる社会と帰還民社会
実施機関 UNDP が直接実施(DEX)
プロジェクト
実施期間
2002年9月〜2004年8月
プロジェクト
総予算
1,254,750米ドル

背景

コソヴォは政治的、経済的、そして社会的に繊細な過渡期にある。経済がゆっくりと自由市場モデルへと移行している一方で、国連安保理決議1244に基づいて提供される少なからぬ自治責任を、コソヴォ暫定自治政府(PISG)が徐々に担い始めている。社会面では、難民及び避難民の帰還と少数民族の和解が重要な課題である。全体的に緩和してきているものの、コソヴォに緊張感が未だ存在していることは、戦争犯罪の疑いのあるアルバニア系コソヴォ人の逮捕後のアルバニア系住民の抗議行動や、最近のセルビア系コソヴォ人による国際警察に対する手榴弾攻撃などからうかがうことができる。少数民族が止むことなくコソヴォ外に流出していることは、安全面での不確実さと、不透明な先行きを反映している。

最新の施策

コソヴォにおける平和構築のプロセスは2002年に入って速度を増しており、人道支援は基本的に終了し、長期的な開発活動が本格化している。脆弱性や不平等の程度を軽減する試みや、住民特に若者を民族和解と復興のプロセスに従事させる試みが広く行われている。しかしながら、脆弱性や不平等の軽減を行いつつ、地域社会の復興や平和構築プロセスを強化することで、経済的な機会の増強を図るといった包括的なアプローチは未だ実践されていない。

平和構築のプロセスにおいては、地域社会での復興活動を通して基本的ニーズを満たすことによって脆弱性を軽減する一方で、地元社会が率先して民族和解という微妙な問題に取り組んでいくことが求められる。

難民帰還のための支援プロセスの存在が、コソヴォにおける開発問題を一段と困難なものにしており、開発活動を通して帰還民の地域社会への再統合や民族和解を支援することを必要なものにしている。少数民族は特に脆弱な立場にあり、従って、コソヴォへの持続可能な帰還を実現するためには、彼らが経済的機会と雇用に恵まれるよう支援を行う必要がある。

UNDP _ 少数民族の帰還と経済開発のための包括的な取り組み

UNDPは、コソヴォでの持続可能な少数民族の帰還を達成するためには、以下の点に配慮する必要があると考える。

1. 地元社会における雇用及び所得創出のための機会の創設
2. 多数民族に対するバランスの取れた支援供給
3. 地元主導による民族和解と再統合

UNDPが採用する開発のアプローチは、平和構築の多面性に焦点を当てた国連平和維持活動に関する「ブラヒミ報告」に掲げられた勧告を踏まえたものとなっている。本プロジェクトは、中長期的な経済復興と帰還プロセスへの支援を重視する一方で、次の目標にも貢献する。1)経済移民の防止(コソヴォ住民の流出防止); 2) 経済交流と活動の正常化を通じた民族和解の促進; 3) 南東欧地域、コソヴォ全土、地方、すべてのレヴェルにおける安全保障と安定の増進; 4) 異民族間の対話と和解の促進

プロジェクト戦略

本プロジェクトは経済面での支援を核にすることで、少数民族の帰還プロセスを支援していく。UNDPは、帰還民のプロフィール作成、資金調達の支援、その他必要な支援を調整しつつ実施することによって、帰還家族の経済的再統合のプロセスを推し進めていく。同時に、特定地域に対して地元経済開発の支援を行い、資金をバランスよく配分することによって、これら地域からの移住や地域内或いは地域間での分裂を予防する。
地域毎の状況が極めて多様であることを踏まえると、帰還民への支援を一つのアプローチに限定することは非現実的である。従って、本プロジェクトは各地域の状況や個人のニーズに適応可能なように、総合的な戦略と骨組みを提供するものとなっている。

本プロジェクトの目的は次のとおり。

1. 経済開発を通じた少数民族帰還と地域社会の安定に向けた支援
2. 所得創出と雇用機会の増進を通じた地元経済開発に向けた支援
3. 地方レベルでの民族間和解と再統合の促進

プロジェクトの構成

1.裨益者と地域社会のプロフィール作成と査定
  帰還民と支援対象地域社会の経済的、社会的プロフィールの作成
2.パートナー網の確立
  地方自治体レベルにおける経済面での協力システムの創設
  雇用と所得創出の機会を取りまとめた一覧の作成。
3.職業斡旋とトレーニング
  裨益者がパートナーの協力を得て既存の雇用機会にめぐり会えるように支援
  必要な技術を習得するための職業訓練
4.地域社会への支援
  地域社会をベースにした支援の枠組みを通した、脆弱で援助の欠如した立場にある人々への支援
  財政的・技術的支援を通じた中小企業開発と農業改善のための支援提供
5.民族和解と再統合
  少数民族を含む地域全体を裨益することに焦点をあてた、民族和解のイニシアチブと地域経済向上のためのプロジェクトに対する助成金

予算(概算)

予算項目 米ドル
1. 地域社会プロフィール作成と査定
43,000
2. 中小企業支援基金
125,000
3. 農業支援基金
125,000
4. 職業訓練基金
15,000
5. 地域社会民族和解助成金
52,500
6. 地域経済向上助成金
50,000
7. コンサルタント・旅費・プロジェクト要員のトレーニング費
35,500
8. 人件費(UNボランティア、ローカルスタッフ)
413,200
9. 機材等
256,00
10. プロジェクト運営費
36,550
11. 雑費
48,000
総プロジェクト予算 1,254,750
うち調達済み予算 100,000

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