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コソヴォ警察運営能力強化プロジェクト

プロジェクト案|ドナー募集中 2002年9月現在
プロジェクト概略
プロジェクト名 コソヴォ警察運営能力強化プロジェクト
該当分野 警察・治安分野の強化改善
テーマ 警察業務の能力強化
目的 法と秩序を制度的に実現する
対象受益者 コソヴォ警察、コソヴォ一般市民、コソヴォ暫定自治政府(PISG)、国連暫定統治機構(UNMIK)
実施機関 UNDP が直接実施(DEX)
プロジェクト
実施期間
2002年8月〜2003年2月
プロジェクト
総予算
870,000米ドル

背景

コソヴォ警察(KPS)のうち警察業務に直接携わることのない官房、文民技師等のサポート・スタッフの構成及び能力が未だ脆弱である。コソヴォ警察設立後の最初の3年間は、警察官の採用、基本的な警察技術のトレーニング、そして警察官を実際に配備することで実経験を積ませること等、警察業務能力の構築にすべての努力が集中した。

コソヴォ国連暫定統治機構(UNMIK)はこれまでコソヴォ警察の官房業務の支援を行ってきたが、予算削減が一因となり、今後は右支援を続行することが出来なくなった。UNMIKによる官房業務への支援は2002年末に打ち切られることとなったため、コソヴォ警察の官房の増強計画を当初の予定よりも短期に実施する必要が発生している。

現時点において、コソヴォ警察の5000名の制服警察官をサポートするための官房人員はわずか13名のみとなっている。非制服職員の採用、機材調達、建物の維持、車両の修理、通信機器維持等に係る方針及び規則を設けるための支援が急務となっている。コソヴォ警察官房の構成、規則、人員面のすべての強化が至急必要である。

UNDP _ 警察・治安分野における人的キャパシティーの育成

警察・治安分野の改革は紛争後におこる幅広い社会変革の重要な一部をなしている。UNDPは、同分野の改革は、単なる制度の構築や能力強化の問題ではなく、むしろ次のような相互に関連した問題や課題に取り組むことの方が建設的であると考えている。

警察分野での改革のための政策や手法に開発問題の視点を取りこむ
警察機関の運営能力、説明責任能力、透明性を高めることで、警察機関に対する人々の信頼を築く
警察機関による効果的な活動
市民による、警察関連機関に対する監視構造の構築
すべての社改装による警察関連機関へのアクセスの改善

UNDPは、警察関連分野の改革において十年以上の実績を有しており、同分野の改革が紛争予防、平和構築、紛争後の復興、そして持続可能な開発には欠かすことができないものであることを認識した。UNDPは現在、世界中で70以上の警察・治安維持関連プロジェクトを実施しており、そのうち20以上が警察業務の改善のためのものである。UNDPは、治安と安全の欠如が平和と持続可能な人間開発を阻むという考えに基づいて、政府や市民社会が本分野における政策を策定し実施できる能力を構築するための支援を行っている。
UNDPはこれまで世界中で公共機関と行政機構の構築のための支援を行ってきた実績があり、コソヴォにおいても、コソヴォ警察の運営が持続可能なものとなるよう、コソヴォ警察の行政機構の強化に向けた支援を行うノウハウがある。基本的な運営能力を築かない限り、コソヴォ警察がコソヴォにおける法の支配と治安を提供し続けることは期待できない。コソヴォ警察の機構面における本件支援が行われない場合、国際社会とコソヴォ住民がこれまで行ってきた平和構築のための膨大な投資が無駄になる恐れがある。

プロジェクトの構成

1.緊急な運営能力の強化と技術支援:
コソヴォ警察の管理運営を行うために必要な基本的、暫定的かつ緊急な管理運営能力を確保することを目的として、とりあえず必要最低限のキャパシティーを構築する。これは次の2つの方法によって達成される。
  コソヴォ警察の主要で基本的かつ緊急に必要とされる官房機能を構築、運営するための直接支援
  コソヴォ警察官房内の特定ロジ支援部門に対する専門的技術支援
2.将来へ向けた準備:
コソヴォ警察の長期運営を可能にする官房分野の戦略的計画を策定するための技術支援を行う。
  コソヴォ警察管理部門3ヵ年運営計画の策定

プロジェクト戦略

最高6名の行政学の専門家からなる技術協力チームが形成され、2部に分類される

財務
・暫定的方針、手続き、システム
・優先課題:
  (a) 予算管理 _ 2002年度予算不足分の対処
2003年−2005年度の計画
  (b) 経費管理  
  (c) 賃金体系  
  (d) 給与支払簿  
 
ロジ部門
・暫定的方針、手続き、システム
・優先課題:
  (a) 機材調達 _ ロジに関わるすべてのニーズ
  (b) 施設維持 _ コソヴォ警察54施設
  (c) 補修設備 _ 声装置、データ管理、車両、武器庫

プロジェクト・マネジャーは実施監督を行い、プロジェクトが効率よく運営されるようにすると同時に、3ヵ年運営計画の策定についても全体的な責任を負う。人事専門家はコソヴォ警察官房による採用活動の仕組みと手続きの策定について責任を負う。
プロジェクト終了後に期待される成果
本プロジェクトの成果として次の3つが期待される。

(1) 2003年から2005年にかけてのコソヴォ警察官房部門の強化のための「青写真」
(2) 特定の優先事項について暫定的な管理サービスが確保される
(3) 特定の優先的ロジ支援ニーズに応えうる技術的サポートが確保される

パートナーシップ

UNMIK警察及び司法局(ピラー1)、コソヴォ警察と、実施調整ならびに運営上の協力が確保されている。本プロジェクトの技術協力チームは直接コソヴォ警察の官房に入ることで、担当職員に対して直接技術支援を提供することとなる。

本プロジェクトが利用することの出来るその他のパートナーシップは次のとおり:

技術協力チームを支援するためのタスクフォースの設置
プロジェクト実施上必要となるコソヴォ警察の管理・運営に関する専門的情報の提供を得ることが出来る;
コソヴォ暫定政府予算(KCB)を用いて警察官房部門職員への財政支援

予算

予算項目 米ドル
1. コソヴォ警察官房の基本機能の構築、確保、運営に向けた緊急支援
325,000
2. コソヴォ警察官房内のロジ支援ニーズに応えるための専門技術支援
160,000
3. コソヴォ警察管理部門3ヵ年運営計画
215,000
4. プロジェクト運営費
170,000
プロジェクト予算合計 870,000

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