コソヴォ警察運営能力強化プロジェクト
プロジェクト案|ドナー募集中 2002年9月現在
プロジェクト概略 |
プロジェクト名 |
コソヴォ警察・地域社会ベース警察活動準備プロジェクト |
該当分野 |
安全保障分野改革 |
テーマ |
警察業務の能力強化 |
目的 |
コソヴォにおける、制度的、実行可能な法と秩序を確かなものにする |
対象受益者 |
コソヴォ警察、コソヴォ一般市民、暫定自治政府、UNMIK |
実施機関 |
UNDP が直接実施(DEX) |
プロジェクト
実施期間 |
9-months: Sept. 2002 - May. 2003 |
プロジェクト
総予算 |
US$ 155,200 |
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背景
コソヴォ警察(KPS)は1999年に活動を開始したが、依然として未熟さを残している。コソヴォの歴史とコソヴォ警察が訓練を実施する期間が限られていたことが原因で、警察業務の中心的性格である公共奉仕としての法の施行はコソヴォ警察内に根をおろし始めたばかりである。類似のプロセスが、コソヴォ警察が奉仕している地域社会内で遂行される必要がある。それ故に、コソヴォ警察の警官が、一般市民や彼らが勤務する地域社会に近い存在になる必要があり、その逆もまた同様である。
公共奉仕の債務者が、警察と一般市民の為に開発され、制度化される構造の一つは、「地域社会ベース」を通じた警察活動手段である。(別の呼び方として、「民主的警察活動」あるいは警察と「地域社会管理」として理解されている)コソヴォ警察は、そのレパートリーの中に、地域社会警察活動要素を有しているが、この根本的、専門的かつ現代的な警察業務の要素は、コソヴォ警察の運営においてはまだ制度化されていない。コソヴォ警察官が、自分達が仕える地域社会と共にいかに活動するかを学ぶ手助けをする為に、警察官への、更に一貫性があり継続的な訓練が、同様に、これらの原則を実践するための、警察と地域社会双方における知識、技術、構造の開拓が、求められている。
コソヴォ警察地域社会警察活動プログラムが重要な情報公開と法の施行を供給しているが、まだ地域社会や地域社会の問題解決におけるリーダーが、参加者として特別に関わっていない。地域社会とのこれらの取り組みや問題解決能力の開発は、コソヴォ警察の専門的発展や運営上の有効性への重要なステップである。
コソヴォの地域社会は、自分達の警察活動がどのように機能しているか、地域社会構造と一体となって関わっている公共機構としていかに警察活動と相互に作用しあうか、といった知識を更に求めている。コソヴォ警察が遂行するよう訓練された警察活動方法―多くは過去において習慣的に使用されていた手法とは異質のものである―と共に、地域社会を更に組織的に地域社会ベース警察活動へ近づけ、それに慣れる為の追加的な試みが求められている。
UNDP _ Building Social Capacity in Security Sector Reform
安全保障セクター改革(SSR)は紛争発生後の環境における広域な社会変革の重要な一部とみなされている。UNDPは安全保障分野の改革は、単なる、垂直な機構構築や能力強化の問題ではなく、むしろ次のような一組の相交わるつながりや問題に基づいて改革を表明する事はさらに建設的である。:
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SSRへの政策と提案に対する画期的な開発展望I |
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機関的能力、信頼性、透明性を構築することにより、安全保障関係機関へ対する大衆の信頼構築 |
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安全保障関係機関の運営上の効率の充実 |
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一般市民による、安全保障関連機関に対する監視構造の開拓 |
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全社会グループと地域社会の安全保障関連機関へのアクセスの改善 |
UNDPは、過去10年以上、安全保障セクターにおける広範囲の経験を得、紛争防止、平和構築、紛争後・危機的状況後そして持続可能な開発運営の不可欠なパートとしてのその中心性を認知した。
基本的な警察が遂行する公共奉仕は法と秩序の維持である。現代の警察活動では、法と秩序の不履行へ対処するだけでは十分ではなく、むしろそれを予想し事前の策を講じることが必須となっている。警察がそれを行うためには、自分達が仕える地域社会のニーズのみならず、その社会で起こりうる広範囲の問題を深く認識することが必要である。しかしながら、地域社会自体のみが、自分達のあらたに発生したニーズを明確に表現することが出来る。従い、地域社会が起こりうる問題領域を認識出来る能力を構築し、それを警察に警告し、警察の援助と連携して確認された問題を解決する事が重要である。
UNDPは現在の立場において、全世界的に70以上の安全保障分野のプロジェクトと、20以上の警察業務開発に関するプロジェクトを有する。UNDPは、不安定さが、平和と持続可能な人間開発の確立を達成する可能性を台無しにするという定理に基づき、安全保障政策と能力構築において、政府と市民社会を支援している。
コソヴォにおいては、UNDPの試験的準備は、
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コソヴォ警察地域社会警察官への訓練を補い、それによって、彼らが仕える地域社会のニーズをよりよく理解し、より深く従事することが可能になる。 |
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地域社会のリーダーが、地域の警察官と共により生産的に理解し活動出来るような能力を向上させる。 |
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そして、それにより、地域社会レベルでの一般市民の安全性と警備上の問題を解決する手助けを行う。 |
異民族が混在する地域では、異民族間の信頼構築と協調が、地域社会ベース警察活動によって対処されるべき主要な問題の一つとなる。
プロジェクトの構成
1. |
警察と地域社会の為の能力強化とパートナーシップ構築: コソヴォ警察と地域社会住民を、参加型問題解決能力と手法を構築するために、団結させる:
コソヴォ警察の管理運営を行うために必要な基本的、暫定的かつ緊急な管理運営能力を確保することを目的として、とりあえず必要最低限のキャパシティーを構築する。これは次の2つの方法によって達成される。 |
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受容能力、手法、そして「地域社会協議事項」を検討するための事前の講習会 |
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顕著な問題への対策と決議をより進展させるための進捗管理講習会 |
2. |
地域社会の受容能力とパートナーシップの制度化:
地域社会作業委員会が設立され問題解決事項を基に活動する |
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4地域社会(多数民族‐1、少数民族‐1、混合‐2)に作業委員会を設立; |
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問題解決事項の開拓; |
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プロジェクトチームによる進捗管理の促進; |
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「地域社会問題解決助成金」への援助 |
3. |
コソヴォ警察能力の制度化:
新興の地域社会型モデルと手法が、試験的に運営化され制度化される: |
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手法と措置の評価の試み; |
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コソヴォ警察トレーニング講義摘要、カリキュラム、測定基準、資料の開発と検定. |
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全コソヴォでのコソヴォ警察のための適切な地域社会型、問題解決モデルの運営化 |
プロジェクト戦略
9ヶ月間に亘る本プロジェクトは試験的モデルと実践を意図する「準備支援」介入となり、その後の十分に開発されたUNDPによる介入が進捗管理として計画される。
UNDPプロジェクトチーム、コソヴォ警察地域社会警察活動プログラム、そしてコソヴォ警察学校が共同してプロジェクトを施行する。これらのパートナーにより、全ての講習会やトレーニング構成をデザインするプロジェクト作業委員会が形成され、地域社会作業委員会の設立を円滑にし、必要に応じ地域社会問題解決助成金を支出する。
重要なことは、プロジェクト作業委員会はプロジェクト評価の項目とそれに追随する、コソヴォ警察による全コソヴォへの応用の為の、地域社会ベース警察活動のモデルを制定する。
プロジェクト後の状況
本プロジェクトによる主な産物は、受容能力と構造の設立を通した、参加する地域社会の強化された安全保障であり、それによって警察と地域社会住民が、参加パートナーシップにおけるお互いの必要性を理解することが可能になる。
1. |
地域社会と警察の間での初めての組織的参加運営パートナーシップ; |
2. |
地域社会と警察共同の緊急問題の決議(合計8−12の問題解決); |
3. |
全コソヴォにおけるコソヴォ警察運営への適当なモデル開発を通した、地域社会と警察による問題解決の初の「制度化」; |
4. |
コソヴォ警察学校でのトレーニングと専門家開発のための、地域社会ベース警察活動摘要、カリキュラム、測定基準、資料の試作; |
5. |
地域社会レベルでの異民族間信頼構築、協調、問題解決の制度化. |
パートナーシップ
本プロジェクトにおける主なパートナー:
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コソヴォ警察 Kosovo Police Service |
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OSCE(全欧安保協力機構)コソヴォ警察学校 |
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UNMIK 警察 |
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対象自治体と地域社会 |
財務要約
予算項目 |
米ドル |
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18,200 |
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45,500 |
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67,500 |
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24,000 |
プロジェクト予算合計 |
155,200 |
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