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コソヴォ議会電子公文書(保管所) 支援プロジェクト (SPEAK)

準備中プロジェクト|ドナー模索中 2002年9月現在
プロジェクト概略
プロジェクト名 コソヴォ議会電子公文書保管所 支援プロジェクト (SPEAK)
該当分野 健全な統治の促進
テーマ 行政に関する公共機関と処理過程の改善
目的 以下の目的達成の為、一般に利用可能な電子公文書保管所とコソヴォ議会の「リアルタイム」の放送システムの供給
i). 議会の議事録と公共施設の記録 を保管するシステムの確立
ii). コソヴォ一般市民に対する議会の透明性と信頼性の改善
対象受益者 コソヴォ暫定自治政府(中央議会を含む)、コソヴォ市民社会、一般市民
実施機関 UNDP 直接遂行 (DEX)
プロジェクト
実施期間
2002年11月1日〜2003年10月31日
12ヶ月間
プロジェクト
総予算
1,100,000米ドル

背景

2001年11月のコソヴォ議会選挙、それに続く2002年3月の大統領選挙は国連安保理決議1244の下でコソヴォの住民に与えられた相当な自治権実行に向けた第一段階であった。しかしながら、民主主義と地方機関や個人への権力移転増大へ向けた新段階と共に、議会と議員の基本的機能(住民を代表し、移管された権限に従って立法を発展させる)を満たす能力が大きく試されている。中央議会レベルでは、正確な情報と、それを生かした議論や政策決定プロセスの有効性の欠如が、効果的な立法の発展の足枷となっている。更に、議会審議を記録するファイル保管システムの欠如は ―特にこの歴史的な日々においては―将来の世代の脳裏に刻み込まれることは言うまでも無く、既に誰もが感じているように重要な課題である。進行中の審議への公共アクセスの欠如は健全な民主主義へのもう一つの重大な障害である。

最新の施策

中央議会レベルでの最新のイニシアチブは、民族、立法再考プロセス、予算準備に焦点をあてているが、政策決定プロセスにおける情報のアクセス、利用はおろか、公に入手可能な情報源を通した議員の信頼性促進には全く取り組んでいない。

現在のところ、UNDPコソヴォ事務所とパートナーは、本SPEAKプロジェクトに関連するいくつかの主導権を実践している。UNDPコソヴォ事務所の行政事務改革プロジェクトは、コソヴォ行政機関の設立(OSCE-全欧安保協力機構との協力)と上級公務員の訓練に携わっている。 KIPA?は本SPEAKプロジェクトを通して要求される議会の書記局員の何名かを訓練する有益な組織メカニズムを供給する。UNDPコソヴォ事務所の2番目の電子化政府(E−Governance)に関するプロジェクトは、効率と信頼性の改善の為、情報通信技術(ICT)を行政上の手続やプロセスへ適応させることに関与している。ここで使用される専門知識や技術はSPEAKプロジェクトへ直接的に影響を与える。最後に、UNDPコソヴォ事務所によるコソヴォ独立メディア支援(KIM)プロジェクト(日本政府拠出金)を介した公共放送局ラジオ・テレビジョンコソヴォ(RTK)への支援は極めて重要である。RTK内においてのみ、議会の議事進行の放送と、公務員に対する公文書設備の取り扱いトレーニングが可能になる。

虚弱な議会に対する援助は必要不可欠である。誕生して1年未満で既に、能力と後援するインフラの欠如によるストレスが表面化し、全議会議事進行のうちたった一件の情報記録がRTKに存在するのみで、一般市民には、自分達が選出した議員達の討論の本質や質の高さを評価するための情報へアクセスするほんの僅かな機会しか与えられていない。本SPEAKプロジェクトは、議会からの要求に追随し始めてはいるが、前述の要求に応えるべく計画されている。

UNDP _ 民主主義的統治への協調的アプローチ

UNDPは、持続可能な開発を保証する基本的な構成要素として、民主主義的統治の確立と支援を考慮に入れている。参加的な方法において機能する、透明な、住民を代表する機関は、効果的な開発の必要性の優先順位を可能にし、紛争発生後の環境における社会の安定性を助長する。

UNDPは民主主義的統治問題への取り組みにおいて世界的規模の経験を有し、また、それはUNDPの5代最優先領域のひとつに数えられる(計画に費やされる費用、年間10億米ドル以上に相当)。各国事務所間の広域ネットワーク(全世界に136事務所)は新しい主導権構築の土台となる経験の豊富さを提供する。地域レベルにおいては、UNDPコソヴォ事務所は、各国事務所の異なる運営の連携を確立している地域本部による支援を受けている。そして、村落、市町村及び中央レベルでの、地域開発、統治支援におけるUNDPコソヴォ事務所の幅広いプログラムは、本プロジェクト実施上有効な、更なる経験を提供する。

コソヴォプロジェクト構成

1.視聴覚機材の設置
  議事進行を保存する為、ワイヤレス・ビデオカメラとマイクが議会に設置される。議会会期中はビデオが直接放映される。
2.メディア用作業台の設置
  メディア用作業台(ソフトウエア、コンピュータークライアント、サーバーを含む)により、LAN回線経由で入手できる検索可能な電子ビデオ・文字公文書を創作するために集められた映像と音響を、事務官が使用出来るようになる。
3.LAN回線(ローカル・エリア・ネットワーク)の議会への設置
  30のワークステーションがワイヤレスLAN回線と、メディア用作業台経由で創作された公文書に接続される。
  LAN回線は、また、検索や外部との交信を可能にするインターネットへ接続される。
  議員と一般市民のための、別々のインターネット及びウェブ・サイトが確立される。ウェブ・サイトは公文書(文字及びビデオ)の完全検索を可能にする。
4.事務官へのトレーニング
  「安全なコソヴォ:小型武器に関する啓蒙活動」
地域に根付いた警察プログラムをとおした学校、ユース(若者)・センター、その他の公共施設等における活動の拡大
5.議員へのトレーニング
  議員は、正確な政策決定と公文書利用をサポートする検索方法の訓練を受ける。

プロジェクト戦略

本SPEAKプロジェクトは民主主義的統治とメディア支援プロジェクト(独立メディア支援プロジェクト・KIMや行政事務改革プロジェクトなど)を通じて開拓された、これまでの経験とパートナーシップを基に構築される。本プロジェクトの基本設備(ビデオカメラ、マイク、メディア作業台)は議員とコソヴォ市民の双方に供給される。基本設備とトレーニングにより、議員は、題目の検索、討議の構造や妥当性を提供する電子公文書の入手が出来るようになる。コソヴォ市民社会もまた主要な裨益者として、生放送、公文書双方により、彼らが選出した国会議員の仕事ぶりに関する直接的な情報入手の目覚しい改善を手に入れることが可能となる。説明責任はこれによって決まる。

パートナーシップ

主だったパートナーとの緊密な運営上の連携体制が確立される。公共放送局RTKは、独立メディアプロジェクト・KIM(日本政府拠出金による)を通してUNDPの支援を受けた。コソヴォ議会自体は、本プロジェクトの先導を受け、かつ主要な依頼者として、明らかに中心的役割を担うことになる。そして、UNDPと全欧安保協力機構(OSCE)は能力強化と統治機構の強化において、確固たるパートナーシップを築く事になり、本SPEAKプロジェクトのイニシアチブが、現行のOSCE議会支援プロジェクトを補足するであろう。

主だったUNDPパートナーシップの受容能力は以下の内容を含む

複数機関による協調能力
情報、調査、分析
政策・プログラム構築分野の技術能力、民主的統治への支援、政府へのコンピューター技術支援、独立メディアへの援助、支持、意思疎通
NGOと一般市民社会ネットワーク間の確かなアクセスとパートナーシップ
地方と本部の民主的統治プログラム後方支援

財務要約

予算項目 米ドル
1. 議会ホールへのワイヤレス視聴覚機材
175,000
2. メディア用作業台ソフトウエア、ハードウエア、トレーニング費用
400,000
3. 議会ホールへのLAN回線とワークステーション(30箇所)設置、電子公文書との接続
115,000
4. インターネット、インターネット・ウェブページ開発(構造化照会言語・SQL ウェブ−検索可能データベース及びページ内容)
35,000
5. 議員へのトレーニング
45,000
6. 公文書運営と維持に関する事務員へのトレーニング(その他の地域議会公文書での海外トレーニングを含む)
65,000
7. ワークステーション、サーバー等のソフトウェア認可
85,000
8. UNDP プロジェクト職員. (国連ボランティア2名)
80,000
9. 議会議事進行テレビ制作(1年間)
75,000
10. メディア・公共宣伝サービス
25,000
合計: 1,100,000

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