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イベント:
UNDPセミナー「アフリカと気候変動:ジェンダーの視点から」

日時:2008年2月22日(金) 10:30-12:00
場所:UNハウス5階コミティー・ルーム2&3

概要:

 女性は、家庭やコミュニティーでのケア・ギバー(水汲み、炊事、洗濯、育児、病人や老人の介護などの提供者)として、また、農業従事者として周辺の自然資源に頼るところが多く、気候変動の悪影響に対して最も脆弱な立場にあります。同時に、気候変動が人々の生活にもたらす負の影響を最小限に食い止め、環境の変化に適応するにあたり、女性はとても重要な役割を担うことができます。したがって、気候変動に関する取り組み、特に適応支援には「ジェンダーの視点」を導入し、女性のニーズに対応することが不可欠となります。本セミナーでは、アフリカの気候変動の影響とその対応策を「ジェンダーの視点」から検証しました。

 セミナーでは、人間開発報告書室(HDRO)のポリシー・スペシャリストで、『人間開発報告書2007/2008気候変動との闘い:分断された世界で試される人類の団結』の共同執筆者でもあるアミー・ゲイ氏を報告者迎え、日本の開発援助関係者を中心とする参加者約25名を交えた活発な意見交換が行われました。

 ゲイ氏は報告において、気候変動の影響は主要因たる温室効果ガス排出に対する責任の重さとは無関係に、特にサブサハラ地域において顕著に現われていることを、具体的数値を挙げて明らかにしました。そして、家事や農業といった天然資源に依存した生活の営みの大部分を担う女性たちは、気候変動に対して最も脆弱な立場に置かれているということ、女性が気候変動への適応において重要な役割を担っているにもかかわらず、気候変動対策の策定プロセスからしばしば疎外されていることなどを指摘しました。

 ゲイ氏は、このような気候変動とジェンダーの双方にかかわる問題への対処策として、マクロ政策レベルで問題に取り組むこと、気候変動の政策議論への女性の参加を促進させるとともに、女性の適応能力の強化を支援することなどを挙げました。特に、適応(adaptation)支援については、国民総所得(GNI)に占める政府開発援助(ODA)の割合を0.7%まで引き上げ、さらに適応策に追加支援を行うこと、貧困削減戦略に適応策を統合させること、現金/食糧の移転を伴う雇用創出プログラムのような社会保障制度など危機から身を守る術を持たない人々に焦点を絞った公共政策を男女それぞれのニーズに対応する形で実施することを提案しました。また緩和(mitigation)支援として、エネルギー効率向上のための国家エネルギー改革の立案、クリーンなエネルギー技術の早期導入を提案したほか、気象情報の収集・分析能力向上を目的とした気象観測ネットワークの拡大を提案しました。

参考資料: