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「途上国における農業・食料・水ビジネスの可能性」についてセミナーを開催

2012年6月15日

UNDPビジネスセミナー「途上国における農業・食料・水ビジネスの可能性」を開催

UNDPビジネスセミナー「途上国における農業・食料・水ビジネスの可能性」を開催


国連開発計画(UNDP)では、日本企業の事業機会の拡大と途上国の開発に寄与するビジネスや活動を支援するため、2006年よりさまざまなテーマについてビジネスセミナーを開催してきました。2012年度は企業と途上国双方から注目されているインクルーシブビジネス※の普及を目的としたセミナーを開催しています。その第2回として、「途上国における農業・食料・水ビジネスの可能性」について、6月15日にセミナーを開催しました。

農業セクターは、農村生活者の割合が高い途上国経済のけん引力となりうる一方で、近年の食糧・肥料・燃料価格の継続的な上昇は途上国の食糧安全保障にとって脅威となっており、農業セクターの開発と食糧安全保障は途上国の発展にとって最重要課題のひとつです。また、安全な水にアクセスできない人々は、いまだ世界に約9億人います。水へのアクセスの改善は、子どもの就学率向上や、女性の社会進出の促進、さらに農業用水の安定供給による食糧問題の改善などの開発効果が見込まれます。

今回のセミナーでは、近年の人口成長、干ばつ被害、食糧価格の高騰などの影響を強く受けているアフリカの農業セクター開発と水開発に焦点を当てました。冒頭、UNDPが5月15日に発行した「アフリカ人間開発報告書」の概要を説明し、来年6月に横浜で開催される「第5回アフリカ開発会議」(TICAD V)や、5月にキャンプデービッドで開催された「G8」でも、農業・食料問題が重要なテーマとしてとり上げられていることを紹介しました。

その後、民間企業による、農業セクター開発や食料・水問題の改善に向けたインクルーシブビジネスの成功事例として、イギリス企業によるガーナでの生産者団体・政府・NGO・国際機関などからなる大規模なパートナーシップを活用したカカオの生産量拡大と安定調達、アメリカ企業による小規模な配送センター網構築による炭酸飲料の販売拡大、アメリカ企業による地域の集会所を兼ねた浄水および販売施設設置による水の販売などを紹介しました。

セミナーの後半では、アフリカに進出する際の電力供給や関税などの課題や、現地の物流事情や運賃・人件費などの現状についての情報交換、また、UNDP駐日代表事務所が今夏公募予定のパイロットプロジェクトに関する説明が行われました。

インクルーシブビジネス:貧困層を生産者・消費者・労働者として取り込み、現地で雇用や商品、サービスを生み出すことにより、貧困層の人々の選択肢の拡大と、企業の事業機会の拡大を図るビジネス

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