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ビジネス行動要請(BCtA)

ビジネス行動要請(Business Call to Action:BCtA)とは、2008年に発足した企業・政府・開発援助機関が集まるグローバルな会員ネットワークであり、長期的視点で商業目的と開発目的を同時に達成できるビジネス・モデルを模索し、促進するための活動を行っています。BCtAは、企業がそのようなビジネス・モデルと企業のコアとなる技術を適用しながら、貧困層の成長を活性化させ、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成を促進することを目的としています。

オーストラリアの国際開発機関(AusAID)、オランダ外務省、イギリス国際開発局(DFID)、アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)、UNDP、国連グローバル・コンパクト、クリントン・グローバル・イニシアティブ、国際ビジネス・リーダー・フォーラムの支援をうけ、BCtAは以下のような付加価値を提供しています。

  • 世界的リーダーが集まるプラットフォーム、および開発への市場志向型アプローチの専門知識・学識・成功事例を共有する機会の提供
  • 事業展開へのアドバイスとサポート
  • 企業と援助機関およびその他関係者との連携

世界中で多くの企業がBCtAに賛同し、低所得者層の人々を商品やサービスの消費者、生産者、供給者、分配者として取り込みながら、商業的視点からも実現性のあるベンチャー事業を行うことで、数百万人の生計向上に努力することを公約しています。

これまでに、4,000万人に銀行サービスを提供、800万人の子供の栄養状態を改善し、7,100万世帯の低所得者のエネルギーへのアクセスを強化しました。

企業のイノベーション

BCtAの20カ国以上の会員企業は、自らのコアビジネスの長期的な実現可能性、収益性、競合性への投資を行いながら、人々の成長・発展に貢献しています。

事例:

  • インドの低所得層の女性とその家族が、某産婦人科病院チェーンの努力により、質が高く低価格で提供される妊産婦ケアと分娩サービスにアクセスできるようになりました。
  • 南アフリカでは、アングロ・アメリカンという会社によって小規模事業主や不当な扱いを受けてきた事業主が同社の購買チェーンに参加できるようになり、これによって同社は長期的に見ると事業時間とコストを節約できるようになりました。
  • インドでは100万人の農民たちが、ルーターズ・マーケット・ライトという会社の携帯電話を利用した農業情報とアドバイスサービスによって、生産力を向上させ事業障害を取り除くためのツールと情報にアクセスできるようになりました。
  • アフリカの15カ国で、コカ・コーラ社はマイクロフランチャイズ方式の事業を広範囲に展開し、新しい収入源を生み出しました。
  • ケニア・タンザニア・アフガニスタンではボーダフォンのM-PESAという革新的で安全かつ廉価な携帯金融取引システムによって1,100万人の消費者が基本的な銀行サービスを利用できるようになりました。
  • インドでは、SABミラー社が8,000の小規模な大麦栽培農家に技術アドバイスを与え、飲料メーカーの供給チェーンへのアクセスを可能にすることでビールの生産コストを削減しました。
会員になるメリット

BCtAに参加することで、企業には以下のメリットがあります。

注目度の高いリーダーシップ・プラットフォームへの参加

  • リーダーシップ、インパクト、イノベーションの力を持つ世界的なブランドとの連携
  • 政府ハイレベルの会議、マーケティング資料、メディア露出、ウェブサイトを通じて、企業のイニシアティブや成功事例を公開する機会
  • ビジネス、政府、市民社会のリーダーたちとの相互交流

実践するグループへのアクセス

  • 開発の市場志向型アプローチに精通している専門家へのアクセス
  • 会議・セミナーで知識と成功事例を共有する機会
  • 国、地域および世界的なフォーラムにおける革新的な成功例の検証と情報普及

革新的な開発へのサポート

  • ビジネス行動要請BCtAイニシアティブの模索および開発に対する戦略的サポート
  • ビジネス、政府、市民社会の主要な関係者たちとの連携
  • イニシアティブの開発効果を検証する構造作りのための手引き
参加方法

BCtAに参加するには、企業には開発事業イニシアティブの概要を記入する申請書類を提出していただく必要があります。この申請書類ではどのようにしてその開発事業イニシアティブが以下の事項に取り組み、目的を達成するのかを明白に記入して頂く必要があります。

  • 斬新な事業アプローチをビジネスに取り入れて、事業イニシアティブを拡大、もしくは新しいプログラムを開発していること。
  • 新たな雇用創出、人的資源の開発、技術移転、革新、金融サービスへのアクセス、ジェンダーの平等、健康、パートナーシップを促進するなど、経済と開発、両方の利益をもたらすこと。
  • 測定可能な結果を生み出すこと。

規模や期間は異なっても、どのイニシアティブもミレニアム開発目標(MDGs)の達成に寄与しながら事業成功を収めるという、2つの“共有価値”基準を満たす必要があります。

ビジネス行動要請BCtAの申請用紙のダウンロードと提出については、以下のウェブサイト(英語)をご覧ください。
http://www.businesscalltoaction.org.

BCtA参加企業の事例