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持続可能なビジネス育成(GSB)プログラム

GSBプログラムとは、商業的に継続可能でありながら、貧困削減と持続可能な開発にも貢献する民間セクターの投資を仲介し、企業イメージの一層の向上にもつながるビジネスモデルの確立をUNDPが支援するものです。2003年の開始以来、UNDPは15カ国以上で50以上のプロジェクトを実施しています。対象セクターは、農業、水、エネルギー、情報通信、金融サービス、製造業と幅広い分野に及びます。今日までに多国籍企業から中小企業まで75社以上の企業と連携し、1万〜400万米ドル規模の数多くの直接投資につながっています。

  • GSBの詳しい仕組みはこちらをご参照下さい。(PDF・3,845KB)
  • GSBの事例はこちらをご参照下さい。(PDF・312KB)

UNDPは日本政府等の協力を受け、日本企業向けにGSBに関するセミナーやワークショップを開催してきました。これらの詳細については、以下をご参照下さい。

よくある質問

GSBプログラムを通じて事業を始めると、企業にはどのような利点がありますか?

GSBプログラムを通じて事業を始めることによって、複数の分野における関係者を巻き込んだアプローチが可能となるため、事業の信頼性が高まり、投資リスクを低減させることが可能です。
GSBは、企業が事業実施国の政府、市民社会、ドナーコミュニティ、投資パートナーと連携できるよう仲介を図るために設立されました。また、GSBプログラムによって集積されたデータを活用することで、企業は現地のビジネス環境とニーズに適したビジネスモデルを創造または改善し、補完的商品やリスクシェアなど分野横断型な解決策を得ることができます。

GSBプログラムに参加するには、企業にはどのようなことが求められますか?

企業には“賢明な私利”の精神に基づいて行動するとともに、長期的視野に立ち、ビジネスリーダーであり続けることが求められます。そして、企業のコアビジネスやバリュー・チェーンに直接関係する最適なビジネスに投資することが期待されます。企業には、投資に見合う利益を追求する一方で、適切な支出を引き受けることが要求されます。そして企業は自ら進んで複数のステークホルダーと分野横断型のパートナーシップを築き、官民連携をはかる必要があります。総括するなら、企業には「コアビジネスに専念し、外部リソースと連携し、価値創造を現地の水準に適応させること」が求められます。

GSBプログラムを通じて事業を始めることによって、どのように貧困削減に貢献できるのでしょうか?

GSBにおける「貧困削減」とは、第一に、貧困層に必要な商品・サービスと生計を立てる機会を提供し、ミレニアム開発目標達成を促進することを意図します。事業投資によってインフラが構築され、必要な商品・サービスが提供されると同時に、地元の経済成長をはかり、雇用を生み出すことで、貧困削減に貢献することが可能です。

開発途上国にはビジネスチャンスがあるのでしょうか?

開発途上国のビジネス環境は、多くの場合、困難かつハイリスクなものです。民間セクターが成長するための制度や起業のためのサポートが不十分であり、国内外の投資を阻んでいます。マクロ環境、物理的・社会的インフラ、法制度、公正な競争、金融・技術・知識へのアクセス等が課題としてあげられます。それにも関わらず、巨大な手付かずのビジネスチャンスが存在することは、開発途上国の人口からも一目瞭然です。約40億の人々が“経済ピラミッドの底辺“に存在しているのです。世界人口の3分の2以上は年間1,500ドル以下の所得層に含まれ、全世界で毎年生まれる8,300万人のうち8,200万人が発展途上国の人々です。こうした人々を消費者として捉え、購入可能で適切な商品とサービスを提供することは、大きなビジネスチャンスにつながるのです。GSBプログラムによって、このような開発途上国市場の課題と機会のギャップを埋めることもできます。

UNDPはどのような役割を果たすのでしょうか?

UNDPは需要主導型の包括的で透明性があり、複数ステークホルダーが参加するプラットフォームを提供します。また、UNDPは「国連グローバルコンパクト」の原則を尊重するよう促し、不正競争の利益が特定の企業にもたらされることがないように監視しています。

GSBは融資メカニズムですか?

GSBは融資メカニズムではありません。原則として、投資は想定される利益で回収されるとの前提で、すべて企業が負担します。ただし一定の条件の下で、GSBは調査および能力開発活動に対する支援を提供することがあります。こうした支援は、事業の成功に欠かせない場合と、プロジェクトの利益以上の公的価値がある場合に提供されます。

GSBプログラムの歴史はどのようなものですか?

GSBは2002年にヨハネスブルグで開かれた「持続可能な開発に関するワールドサミット(WSSD)」において、“ビジネスと持続可能な開発”についての国連グローバルコンパクトの政策対話から生まれました。この場において、World Business Council for Sustainable Development (WBCSD)と国際商工会議所(ICC)により、「持続可能な開発の障害に対する解決法を探るための連盟」が創設されました。シェル社の会長マーク・ムーディ・ステュワート氏が国連グローバルコンパクト事務局と共同で指揮を執り、ミレニアム開発目標達成のために国連と連携する企業がこの連盟の下に集まりました。この過程において、GSBプログラムは民間セクターによって概念化され、ハイレベルのWSSD会議において承認されました。この会議には、コフィ・アナン国連事務総長、マーク・マロック・ブラウンUNDP総裁、トニー・ブレア英首相およびジャック・シラク仏大統領を含む各国首脳(全て当時)、グローバル企業のCEO、NGOおよび国連機関の代表が出席しました。UNDPは、全世界に存在する現地事務所のネットワーク、公平性、および複数ステークホルダー間の対話と活動を各国レベルで仲介できる能力が評価され、イニシアティブの調整役を委任されました。そして上記の連盟が掲げた目標を達成する手段として、UNDPはリチャード・サンブロックをリーダーに、現在のGSBの原型となる活動をスタートさせました。