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途上国におけるビジネスセミナー
「ミレニアム開発目標(MDGs)とビジネスの挑戦ー国連MDGsサミットに向けて」

日時:2010年9月7日(火)
場所:東京ウィメンズプラザ 視聴覚教室
概要:

本年9月に開催された国連MDGsレビューサミットでは、MDGsを2015年までに達成するために、民間セクターに対し広く活動への参画が呼びかけられました。またMDGs達成に貢献する持続可能なビジネスについて、世界中の企業経営者による議論が行われました。日本でも近年、途上国の新興市場に対する関心の高まりを受けて、企業がビジネス戦略、またはCSR戦略において、MDGsへの貢献を掲げる事例も生まれています。
UNDPはこの国連MDGsレビューサミットに向けた特別セミナーとして、企業がビジネス・リソースを活用しながらMDGs達成に貢献する先進的な事例を紹介するセミナー開催しました。同セミナーには、途上国における持続的ビジネスに関心のある約30社から40名が参加、三井物産と三洋電機より、それぞれUNDPとの連携事例が発表されました。

<発表内容>
・企業による事例1(三井物産)
モザンビーク政府とUNDPは、農業の生産性向上や教育・エネルギーへのアクセス改善などMDGs達成に必要な支援を包括的に行うミレニアム・ビレッジ・プロジェクトを実施しているが、近年の自然災害で打撃を受けた農業の復興が課題となっている。またエネルギーへのアクセス改善のためには、遠隔地であっても利用可能で、温室効果ガスを排出しない太陽光発電が有効であるが、現地の状況に即したビジネスモデルの構築が課題となっている。三井物産は、上記ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトに対し、太陽光発電システムと灌漑用水ポンプを提供することを決定し、現地政府とUNDPとの協力により、コミュニティとともに灌漑設備を整え、太陽光発電を利用し水へのアクセスを改善することで、耕作地を拡大し、農業所得の増加と貧困削減を図ることとなった。灌漑の開始後は、主要収入源である農業の生産高を向上させるとともに、小規模事業の支援と連携し、地域全体に経済効果を生み出すことにより、中長期的には、現地の共同体がみずから太陽光発電を導入できる、持続可能なモデルの確立に寄与することが期待されている。
モザンビークのミレニアム・ビレッジ・プロジェクトには、日本政府も5億8500万円の資金援助を決定しており、今回決定された連携は官民のリソースを活用した開発ケースとして注目が集まっている。
・ 企業による事例2(三洋電機)
UNDPと三洋電機は、ケニアの無電化村を対象に小型太陽光発電ランタン(ソーラーランタン)を利用した夜間照明を導入し、継続的に生活改善や所得創出活動を支援するため、共同で事業化調査を開始した。ケニアでは、都市部の電力事情は改善している一方、地方の電化率は未だに10%未満であり、経済活動や夜間診療などの妨げになっている。三洋電機は、2008年に開催されたアフリカ開発会議(TICAD IV)を機に、無電化村向けにソーラーランタンを開発し、2009年9月からウガンダで実証試験を開始している。今回ケニアで実施する事業化調査では、夜間照明を利用して教育機会の創出など社会的影響を高めるほか、ソーラーランタン事業を継続的に発展させるため、現地事情に適したサプライ・チェーンの構築やマイクロファイナンスを利用したビジネスモデルの調査も行われる。今回の事業化調査は、UNDPケニア事務所が日本政府によるUNDPの持続可能なビジネス育成プログラム(GSB)への支援を受けて実施するものである。この調査結果は、ケニア内外の関係者と共有し、将来的にアフリカなど世界の無電化地域において、ソーラーランタン事業を通じた持続可能な社会開発に貢献することが期待されている。