「TICAD平和の定着会議」が開幕

2006年2月16日

紛争後のアフリカ諸国における平和の定着に関する国際会議が、2月16日から2日間の日程でエチオピアのアディスアベバにおいて開幕しました。同会議には、世界各地から100を超える政府代表、地域および国際機関、市民社会団体が参加します。同会議はアフリカ開発会議 (Tokyo International Conference on African Development: TICAD) の後援のもと、日本政府、国連、アフリカのためのグローバル連合 (GCA) 、世界銀行、国連開発計画 (UNDP) の共催により実現しました。参加者は、この「TICAD平和の定着会議」において、安全保障、行政統治の再建および社会経済開発の諸分野におけるベスト・プラクティスを模索し、アフリカにおける平和の定着に向けた新戦略を提示する予定です。日本政府は同会議に先立ち、アフリカにおける平和の定着を支援するため、UNDPを含む国際機関等を通じ、総額約3,300万ドルの緊急無償資金協力を行うことを決定しました。

UNDPのケマル・デルビシュ総裁は、同会議に向けたビデオ・メッセージにおいて、平和の定着の重要性を強調しています。「貧困削減、疾病の蔓延防止といったミレニアム開発目標 (MDGs) に対する世界各地の取り組みを見れば、なぜ我々が望むほどすみやかには物事が進まず、それどころか場合によっては後退しているのかがわかる。それは、紛争、そして平和の定着の欠落によるのである。」デルビシュ総裁はさらに、UNDPが平和を定着させ、紛争、政情不安、人道危機、ガバナンスの欠如および経済開発の欠如といった、紛争に起因する諸問題を克服すべく各国を支援していることを説明しました。

紛争後の国々に対するUNDPの支援プログラムは、戦争による被害を受けた地域社会の再建と、社会・経済の成長および開発への取り組みを支援する分野横断型のアプローチを特徴としています。コンゴ民主共和国を例にとれば、同国東部地域で実施しているコミュニティ復興活動においては、社会サービスの回復を促進するようなインフラ復旧や生計手段の促進に焦点をあてています。シエラレオネでは、地方自治体の機能回復のために、政府および開発/人道支援機関との緊密な連携に基づいた活動を展開し、人々とコミュニティの生活再建への努力を支援しています。また、リベリアで行われているUNDPの「コミュニティ復興プログラム」は、元兵士がコミュニティに復帰できるよう、再統合および再定住を促進しています。ルワンダにおいては、刑務所の環境改善、国家および地方警察の訓練、司法制度の改革支援を支援しています。

アフリカで頻発した紛争は、市民生活および経済活動の破壊をはじめとする甚大な人道上の危機を引き起こしました。1993年の始動以来、TICADイニシアティブは、国内外の避難民に支援の手を差しのべる一方、元兵士をはじめとする戦闘関係者の武装解除、動員解除および再統合プロセス、地雷除去、小型武器をはじめとする小火器の回収と破壊を支援しています。

UNDPアフリカ局のディオフTICAD担当部長は、「特に紛争後の国々における、平和の定着という今日の最重要課題は、グローバルおよび地域レベルの双方における具体的な相互努力を通じてのみ解決可能である」と述べています。

以上
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