ウガンダでAABF V開催:アフリカへのアジア市場の開放を呼びかけ

2009年6月17日 カンパラ(ウガンダ)

第五回アフリカ・アジア・ビジネス・フォーラム(The Fifth Africa Asia Business Forum: AABF V)は、ウガンダにおいて6月15-17日の日程で開催されました。同フォーラムでは、政府、民間企業および市民組織(CSOs)に対し、2010年のFIFAワールドカップ南アフリカ大会をアフリカのアジア市場への参入促進とかけがえのない豊かなアフリカの文化・自然遺産のイメージアップに向けた絶好の機会と捉え、アフリカ大陸を挙げての観光開発戦略を実施するうえで協力を進めるよう、具体的提案がなされました。

「アフリカの持続可能な観光開発に向けたビジネス・リンケージの促進」と題する2日間の討議を受けて纏められた政策提言は、アジア地域、特に日本に対し、アフリカ諸国への旅行者に対する渡航情報を見直し、日本とアフリカ諸国の触れ合いを促進させるよう求めています。

ウガンダのSerapio Rukundo観光大臣は、「観光は将来有望な産業であり、ミレニアム開発目標(MDGs)達成に活用されねばならない」と発言し、ウガンダを含むアフリカ諸国は概して観光産業に大きな可能性を秘めており、これを大陸全体の貧困削減に活用すべきである、として政策討議を締めくくりました。

また、日本から出席した橋本聖子外務副大臣は、開会式におけるスピーチで「アジアにとって依然としてアフリカは遠く、アフリカの情報や知識の不足により、必要以上に、不安定な治安情勢、病気の蔓延といった悪いイメージが先行している場合もあると思われます。このため、アフリカの多様で、素晴らしい観光資源、そして近年目覚ましい発展を遂げているアフリカの実情について、もっと周知される必要があり、アフリカに対するイメージ戦略や関係者の知識向上に、より一層傾注すべきと考えます」と述べました(スピーチ全文へのリンク)。

AABF Vには、アフリカおよびアジアの33カ国の、ビジネス、各国政府、国際機関、市民社会よびメディアの各方面から、330名以上が集まりました。同フォーラムでは主に、観光産業におけるアジア・アフリカ間の連携強化と技術移転の促進、またアジアと日本の旅行者の積極的誘致とアフリカ大陸全体の観光促進につながる投資活発化、に向けた戦略的方向性と今後の見通しが討議されました。

アフリカ担当特別顧問および後発開発/内陸/島嶼開発途上国担当高等代表を兼務するディアラ国連事務次長は、AABF Vが各国政府、ビジネスおよび開発援助の各界から参加者を集めたことを評価しながらも、「同フォーラムの政策提言が結実するか否かは、各国政府およびビジネス界の今後のフォローアップにかかっている」と述べました。

AABF Vは、1)アフリカ観光産業の概観、2)官民連携、3)アジア観光客および投資家向けアフリカ産品の商品開発・販売促進、および4)貧困層に配慮した持続可能な観光開発、の4部門で構成されました。同フォーラムの目的は、官民の政策対話を促進させ、アフリカ・アジア両地域の中小企業からの参加者に商談の機会を提供することにあります。スペケ・リゾート・アンド・カンファレンス・センター(Speke Resort and Conference Centre)で3日間にわたり開催され、ウガンダ観光大臣の司会により覚書(MoU)調印式が執り行われました。

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